エイキン (サウスカロライナ州)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > エイキン (サウスカロライナ州)の意味・解説 

エイキン (サウスカロライナ州)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/15 01:32 UTC 版)

エイキン
Aiken
エイキン郡庁舎(2007年)
サウスカロライナ州におけるエイキンの位置
北緯33度32分58秒 西経81度43分14秒 / 北緯33.54944度 西経81.72056度 / 33.54944; -81.72056座標: 北緯33度32分58秒 西経81度43分14秒 / 北緯33.54944度 西経81.72056度 / 33.54944; -81.72056
アメリカ合衆国
サウスカロライナ州
エイキン郡
法人化 1835年
政府
 • 種別 市政委員会・市マネジャー方式
 • 市長 リック・オズボン[1]
 • 暫定市マネジャー ロジャー・リダック
面積
 • 合計 20.8 mi2 (54.0 km2)
 • 陸地 20.7 mi2 (53.6 km2)
 • 水域 0.2 mi2 (0.4 km2)
標高
515 ft (157 m)
人口
(2020年)[4]
 • 合計 32,025人
 • 密度 1,500人/mi2 (590人/km2)
等時帯 UTC-5 (東部標準時)
 • 夏時間 UTC-4 (東部夏時間)
市外局番 803
FIPS code 45-00550[5]
GNIS feature ID 1244853[6]
ウェブサイト www.cityofaikensc.gov
テンプレートを表示

エイキン(エイケン、: Aiken [ˈeɪkən])は、アメリカ合衆国サウスカロライナ州の都市。エイキン郡郡庁所在地である[7][8]。人口は3万2025人(2020年)。サバンナ川中流域に位置している。ジョージア州オーガスタに近く、オーガスタ都市圏に属している。

エイキンの町は1835年に設立された[9]。地名は、サウスカロライナ鉄道の初代社長だったウィリアム・エイキン(1779年-1831年)に由来している。エイキン市内にはサウスカロライナ大学エイキン校がある。全米市民連盟から1997年に全米都市賞に選ばれた。

歴史

エイキン市は1835年12月19日に法人化された。町はサウスカロライナ運河・鉄道会社のターミナル周辺に形成された。この鉄道はチャールストンとサバンナ川を繋いでおり、その初代社長だったウィリアム・エイキンにちなんで、町が名付けられた。

エイキンのある場所は当初エッジフィールド地区に入っていた。人口が増えるに連れて、1871年に近隣の郡の一部を併せてエイキン郡が形成された。その設立時のコミッショナーの中には3人のアフリカ系アメリカ人議員がいた。すなわち、プリンス・リバーズ、州議会の議長となり黒人としては初めて法廷弁護士として認められたサミュエル・J・リー、およびチャールストンのエリート一家の出身で混血のチャールズ・D・ヘインだった[10]

エイキンは計画都市であり、その歴史地区の通りの多くはサウスカロライナ州の他の都市や郡の名前が採られている。例えば、アベビル、バーンウェル、ビューフォート、チェスターフィールド、コルトン、コロンビア、ディロン、エッジフィールド、エディソン、フェアフィールド、フローレンス、グリーンビル、ハンプトン、ホリー、ジャスパー、カーショー、ランカスター、ローレンス、マリオン、マールボロ、マコーミック、ニューベリー、オレンジバーグ、ペンドルトン、ピケンズ、リッチランド、サムター、ユニオン、ウィリアムズバーグ、ヨークである。

19世紀後半、エイキンはアメリカ合衆国北東部の裕福な人々が避寒のために訪れる場所として有名になった。トマス・ヒッチコック・シニアとウィリアム・C・ホイットニーがエイキン・ウィンター・コロニーを設立した。エイキンは長い年月の間に多くの有名人が冬の家を構える場所となった。例えば、障害競走ジョッキーのジョージ・H・ボストウィック、政治家のジェイムズ・B・ユースティス、富豪アスター家のマドレーヌ・アスター、実業家のウィリアム・キッサム・ヴァンダービルトベスレヘム・スチール社長のユージーン・グレース、私立探偵のアラン・ピンカートン、政治家のW・アヴェレル・ハリマンなどがいた。

サバンナ川プラント

1950年11月30日、アメリカ原子力委員会核融合爆弾のための燃料を製造する工場を建設する場所として、エイキン近くの場所を選んだことが公表された。その工場を建てる場所のためにエレントンの住宅や企業が買収された。住民は約8マイル (12.8 km) 北に建設されたニューエレントンの町やその他近隣の町に移転した。

その工場はサバンナ川プラントと名付けられ、1989年にはサバンナ川サイトと改名された。施設には5つの製造反応容器、燃料製造装置、研究室、重水製造設備、2つの燃料再生装置、トリチウム再生装置がある。

サウスサイド

サウスサイドはエイキン市の南部であり、サバンナ川サイトが建設された後に大きく発展した。現在はエイキン郡でも主要なショッピング地区となり、小売店やレストランの入るエイキン・モールがある。ハウンズレイク・カントリークラブとウッドサイド・プランテーションという大型住宅地区2つの中にはゴルフコースもある。新たな移住者はハウンズレイクかウッドサイドの住宅を選ぶが、最も権威ある家屋はエイキンの歴史ある中心街にある。

歴史のある場所

  • エイキン・ゴルフクラブ
  • エイキン・ポロクラブ
  • エイキン準備学校
  • エイキン・テニスクラブ
  • ホープランズ庭園[11]
  • パルメット・ゴルフクラブ
  • セントメアリー・ヘルプ・オブ・クリスチャンズ・カトリック教会
  • ホワイトホール邸宅
  • エイキン市内でアメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されているものとして、エイキン有色人墓地、エイキン・マイルトラック、エイキン訓練トラック、エイキン・ウィンター・コロニー歴史地区第1、同第2、同第3、チャンセラー・ジェイムズ・P・キャロル邸、チャイナベリー(邸宅)、コーカー・スプリング、コート・テニス・ビル、クロスウェイズ(邸宅)、ドーソン・ヴァンダーホースト邸、イマヌエル学校、ジョイ・コテージ、レゲア・モーガン邸、フェルプス邸、ピケンズ邸、セントメアリー・ヘルプ・オブ・クリスチャンズ・カトリック教会、セントタデウス・エピスコパル教会、チャールズ・E・サイモンズ・ジュニア・フェデラルコート邸、ホワイトホール邸宅、ウィルコックスズ(宿屋)がある[12]

地理と気候

エイキン市は 北緯33度32分58秒 西経81度43分14秒 / 北緯33.54944度 西経81.72056度 / 33.54944; -81.72056 (33.549397, -81.720689)に位置している[13]。エイキン郡の中心近くにある。オーガスタ市からはアメリカ国道1号線同78号線によって、北東に32kmの位置にある。市の北10kmを州間高速道路20号線が通り、ノースカロライナ州道19号線への出口18番と、国道1号線への出口22番からアクセスできる。

アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、市域全面積は20.8平方マイル (54.0 km2)であり、このうち陸地20.7平方マイル (53.6 km2)、水域は0.15平方マイル (0.4 km2)で水域率は0.68%である[14]

エイキン市は温暖湿潤気候ケッペンの気候区分Cfa)にあり、暑く湿気た夏と、冷涼で乾燥した冬が特徴であるが、州内の他地域よりも年間を通じて温暖である。降水量は季節による変化はあまりなく、暖かい季節にやや多い程度である。冬には雪が降ることもある。過去最低気温は1985年1月21日に記録された-4°F (-20 ℃)、過去最高気温は1983年8月21日に記録された109°F (43 ℃)である。

エイキンの気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °F°C 82
(28)
88
(31)
89
(32)
99
(37)
101
(38)
108
(42)
108
(42)
109
(43)
100
(38)
99
(37)
88
(31)
83
(28)
109
(43)
平均最高気温 °F°C 55
(13)
60
(16)
68
(20)
76
(24)
84
(29)
90
(32)
92
(33)
91
(33)
85
(29)
76
(24)
67
(19)
59
(15)
75.3
(23.9)
平均最低気温 °F°C 33
(1)
36
(2)
42
(6)
51
(11)
60
(16)
68
(20)
72
(22)
71
(22)
64
(18)
52
(11)
42
(6)
35
(2)
52.2
(11.4)
最低気温記録 °F°C −4
(−20)
9
(−13)
13
(−11)
21
(−6)
34
(1)
42
(6)
51
(11)
52
(11)
37
(3)
25
(−4)
11
(−12)
5
(−15)
−4
(−20)
降水量 inch (mm) 4.74
(120.4)
4.36
(110.7)
4.86
(123.4)
3.11
(79)
3.83
(97.3)
5.46
(138.7)
5.10
(129.5)
5.25
(133.4)
3.80
(96.5)
3.38
(85.9)
3.64
(92.5)
3.78
(96)
51.31
(1,303.3)
出典:The Weather Channel[15]

人口動態

人口推移
人口
1880 1,817
1890 2,362 30.0%
1900 3,414 44.5%
1910 3,911 14.6%
1920 4,103 4.9%
1930 6,033 47.0%
1940 6,168 2.2%
1950 7,083 14.8%
1960 11,243 58.7%
1970 13,436 19.5%
1980 14,978 11.5%
1990 19,872 32.7%
2000 25,337 27.5%
2010 29,494 16.4%
2020 32,025 8.6%
U.S. Decennial Census

以下は2010年の国勢調査による人口統計データである[5]

基礎データ

  • 人口: 29,494 人
  • 世帯数: 12,773 世帯
  • 人口密度: 604.6人/km2(1,416.3 人/mi2
  • 住居数: 14,162 軒
  • 住居密度: 271.4軒/km2(703.1 軒/mi2

人種別人口構成

年齢別人口構成

  • 18歳未満: 23.2%
  • 18-24歳: 9.4%
  • 25-44歳: 25.5%
  • 45-64歳: 24.0%
  • 65歳以上: 17.8%
  • 年齢の中央値: 40歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 87.2
    • 18歳以上: 83.0

世帯と家族(対世帯数)

  • 18歳未満の子供がいる: 28.1%
  • 結婚・同居している夫婦: 48.9%
  • 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 13.7%
  • 非家族世帯: 34.3%
  • 単身世帯: 29.6%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 11.6%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 2.34人
    • 家族: 2.90人

収入

収入と家計

  • 収入の中央値
    • 世帯: 49,100米ドル
    • 家族: 63,520米ドル
    • 性別
      • 男性: 51,988米ドル
      • 女性: 28,009米ドル
  • 人口1人あたり収入: 24,129米ドル
  • 貧困線以下
    • 対人口: 14.4%
    • 対家族数: 10.1%
    • 18歳未満: 21.0%
    • 65歳以上: 10.5%

町政府

エイキン市は市長・市政委員会方式の政府を採用している。市長は全市を選挙区に選出される。市政委員会は6人の委員で構成され、各委員は6つの小選挙区からそれぞれ1人が選ばれている。

教育

学校

公立学校:

  • シルバーブラフ高校
  • エイキン高校
  • サウスエイキン高校
  • ロイド・ケネディ・チャータースクール
  • エイキン中学校
  • ケネディ中学校
  • スコフィールド中学校
  • エイキン小学校
  • JD レバー小学校
  • ミルブルック小学校
  • ノースエイキン小学校
  • イーストエイキン芸術学校

私立学校:

  • エイキン・クリスチャン学校
  • ミード・ホール・エピスコパル学校
  • サウスエイキン・バプテスト・クリスチャン学校
  • セントメアリー・ヘルプ・オブ・クリスチャンズ・カトリック学校、小学校と中学校

高等教育機関

障害競走

エイキン障害競走協会[16]は、1930年に設立され、毎年3月にインペリアル・カップ、10月にホリデイ・カップを開催しており、どちらも全米障害競走協会公認のレースである。レース場には3万人以上の観衆が集まる。

エイキン・サラブレッド競馬殿堂と博物館は、エイキン訓練トラック[17]で訓練された平地競走障害競走サラブレッドを顕彰するものとして、1977年に建設された。

その他の行事

エイキンでは市内にある多くのポロ競技場でポロの試合を行っている。その他にエイキン市内で開催される行事として次のものがある。

  • ロブスター・レース
  • エイキンのメイキング
  • 西カロライナ州祭
  • エイキンの戦い再現
  • ウィスキー・ロードレース
  • エイキン・トリプル・クラウン
  • 秋の障害競走
  • ブルーグラス祭

見どころ

  • エイキン郡歴史博物館 - 花のバンクシアにちなんで「バンクシア」とも呼ばれる博物館、住民が提出する特別なものを展示
  • エイキン・サラブレッド競馬殿堂と博物館 - 地域でのサラブレッドの豊富な歴史に関して、記念品、写真、トロフィなどを展示
  • エイキン観光案内所と列車博物館 - 2階に鉄道駅があり、鉄道史を表す9つのジオラマがある
  • エイキン芸術センター - 芸術に関する授業、美術ギャラリー、展示機会の提供
  • エイキン郡ファーマーズマーケット - サウスカロライナ州では最古の食品マーケット
  • アフリカ系アメリカ人歴史・芸術・文化センター - アフリカ系アメリカ人の歴史に関する特別行事
  • デュポン・プラネタリウムと天文台 - 恒星、衛星、惑星の提示
  • ジュリアード・イン・エイキン - ライブの芸術公演、授業、講義、ワークショップ
  • ロースヒル・エステイト - 宿泊、結婚式、同窓会、集会、ディナーパーティの歴史ある会場
  • レッドクリフ・プランテーション州立史跡 - 奴隷制の歴史と生活様式の探求

著名な出身者

19世紀後期と20世紀初期、エイキンはヴァンダービルト家やボストウィック家、ホイットニー家など国内の裕福な一族が冬を楽しむ地となっていた。

脚注

  1. ^ The City of Aiken”. 2015年2月25日閲覧。
  2. ^ About: City of Aiken, South Carolina
  3. ^ City Managers Office: City of Aiken, South Carolina
  4. ^ Quickfacts.census.gov”. 2023年12月25日閲覧。
  5. ^ a b American FactFinder”. United States Census Bureau. 2008年1月31日閲覧。
  6. ^ US Board on Geographic Names”. United States Geological Survey (2007年10月25日). 2008年1月31日閲覧。
  7. ^ http://www.statelibrary.sc.gov/aiken-county
  8. ^ Find a County”. National Association of Counties. 2011年6月7日閲覧。
  9. ^ Mary Morgan (2007年3月19日). “History”. 2008年2月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年3月29日閲覧。
  10. ^ Jim Nesbitt, "County, once booming, now shadows town it used to rival", Augusta Chronicle, 16 February 2004
  11. ^ Hopelands Gardens”. City of Aiken. 2012年8月16日閲覧。
  12. ^ National Park Service (9 July 2010), "National Register Information System", National Register of Historic Places, National Park Service
  13. ^ US Gazetteer files: 2010, 2000, and 1990”. United States Census Bureau (2011年2月12日). 2011年4月23日閲覧。
  14. ^ Geographic Identifiers: 2010 Demographic Profile Data (G001): Aiken city, South Carolina”. U.S. Census Bureau, American Factfinder. 2013年8月5日閲覧。
  15. ^ Average Weather for Aiken, SC – Temperature and Precipitation”. 2011年11月26日閲覧。
  16. ^ Aiken Steeplechase Association
  17. ^ Aiken Training Track

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「エイキン (サウスカロライナ州)」の関連用語

エイキン (サウスカロライナ州)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



エイキン (サウスカロライナ州)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのエイキン (サウスカロライナ州) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS