ウンベルトとエレナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 02:47 UTC 版)
「ある日、ローマの別れ」の記事における「ウンベルトとエレナ」の解説
トンマーゾの親友ウンベルトはローマ市長である妻エレナとの20年にわたる結婚生活に終止符を打とうと考える。ウンベルトは高校教師として誇りを持って働いていたが、市長の夫として単なる名誉職で実際は閑職である「副校長」にさせられたことや、市長の夫としてパパラッチや市民の目を気にしながら生活しなければならない窮屈さ、そして何より、エレナが仕事を優先するあまりに家庭を全く顧みないことに耐えられなくなったのである。一方、将来は首相の座も狙っているエレナは、政局の不安定さもあり、そんなウンベルトの思いを気にかける余裕を失っている。そして、ついにウンベルトは別れ話を切り出す。ウンベルトはエレナが市長を辞めて以前のような平凡で穏やかな生活に戻ることを望むが、エレナは当然ながら受け入れることができない。しかし、ウンベルトの強い訴えは、政治家としての自信を失いかけていたエレナに妻や母としての自信をも失わせる結果となり、エレナは家庭を守るためとして市長を辞任することを決める。ウンベルトは、自ら望んだことではあるが、この事態に取り乱してしまう。しかし、相談に乗ってくれないトンマーゾを咄嗟に殴ってしまったことで冷静さを取り戻し、さらに、辞任を表明したエレナに対する批判の声をラジオで聴くと、意を決してエレナの辞任会見の場に姿を現す。そしてウンベルトは、エレナと交際を始めた時からずっと自分の劣等感から常にエレナに捨てられるのではないかと不安を抱き続けてきたこと、そしてそれに耐えられなくなって逃げ出そうとする自分を正当化するためにエレナの不在を誇張していたことを正直に告白するとともに、市長を続けてほしいと訴える。気まずい空気が流れる中、エレナはウンベルトに退出を冷静に命じるが、会見場から出ていったウンベルトを追いかけ、公の場で失態を演じたとして彼を平手打ちする。しかしエレナはそんなウンベルトこそが自分の愛しているウンベルトであると伝え、2人は抱き合ってキスをする。こうして2人は互いの愛を再確認する。
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