ウォールフラワー_(小説)とは? わかりやすく解説

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ウォールフラワー (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/19 01:49 UTC 版)

ウォールフラワー
The Perks of Being a Wallflower
作者 スティーブン・チョボスキー
アメリカ合衆国
言語 英語
ジャンル ジュブナイル青春小説
発表形態 印刷(ペーパーバック)とオーディオブック
刊本情報
出版元 MTV Books
角川書店
集英社
出版年月日 1999年2月1日
2001年4月27日(角川書店)
2013年11月20日(集英社文庫)
作品ページ数 256(初版)
224(第2版)
365(角川書店)
id ISBN 0-671-02734-4
日本語訳
訳者 小西未来(角川書店)
田内志文(集英社)
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ウォールフラワー』(The Perks of Being a Wallflower) は、アメリカの作家スティーブン・チョボスキー英語版によるジュブナイル小説である[1]MTVから1999年2月1日に出版された。チャーリーという10代の少年が「トモダチ」に向けて書いている手紙の形式を取った書簡体小説で、思春期における経験や心理を物語った青春小説作品[2]ドラッグ[3]や性、文学音楽などの若者文化が多く描写されている。

アメリカ図書館協会が選ぶ『2009年度最も推奨する本』でトップ10の中で第3位を獲得した[4]

映画監督でもある著者チョボスキーによる監督で映画化され、2012年に公開された。

あらすじ

1991年チャーリーは春に友人のマイケルが自殺したことに強く動揺し、孤独と不安を抱えながら高校に進学する。学校が好きになれなかったチャーリーだが、授業の工作クラスで「ナッシング」と呼ばれる変わった面白い上級生、パトリックと出会う。その後学校のフットボールの試合を一人で観戦しに行くと、パトリックがサムという義理の妹と一緒にいるのを見つけ、2人と知り合う。チャーリーはサムに心惹かれる。

チャーリーは2人を通じて、パーティーに参加するなど、多くの人と出会い、文学音楽、そしてドラッグに触れていく。やがてサムの友人であるメアリー・エリザベスという女の子と恋人の関係になるが、ある夜、エリザベスの前でサムにキスしたことがきっかけで2人は別れてしまう。

学期が終わり、パトリックとサムは高校を卒業する。大学に行くために街を出る前、チャーリーとサムは性的な関係になりかけるが、結局チャーリーはサムに手を出すことができない。その日の夜、夢の中でチャーリーは小さい頃に親戚のヘレンおばさんに性的な行為を受けていたことを思い出し、ショックのあまり精神病院に2か月入院する。その後、チャーリーは夏休みの間にパトリックやサム達と会話し、退院すると、もう学校に行くのは怖くないと感じるようになる。

登場人物

チャーリー
主人公。精神的に不安定な少年で、精神科医にかかっている。
サム
チャーリーが心惹かれた女の子。パトリックの義理の妹。
パトリック
サムの義理の兄。同性愛者で、ブラッドという同じ学校のクォーターバックの選手と秘密の恋人の関係だったが、ブラッドの父親にバレてしまい、別れざるを得なくなる。
メアリー・エリザベス
サムの友人の女の子。芸術映画が好き。チャーリーと付き合ってからは自分の話を一方的に延々と喋るため、うんざりさせてしまっていた。
ビル
チャーリーの英語教師。チャーリーに多くの課題図書を出し、レポートを提出させる。劇作家でもあり、この学期が終わると教師を辞めようと考えている。
マイケル
チャーリーが高校に入学する前の春に自殺した少年。チャーリーとは仲が良かった。カウンセラーは「家庭の問題」が自殺の理由だと考えている。
チャーリーの兄
アメフトの選手としてペンシルベニア大学に通っている。
チャーリーの姉
美人だがチャーリーに対しては煙たがる態度を取る。フェミニズム的な主張をよくする。付き合っていた相手に妊娠させられてしまい、両親には内緒でチャーリーに堕胎の付き添いを頼んだ。
ヘレンおばさん
チャーリーの叔母。性的虐待を受けた経験により、病気ドラッグに苦しんだ。チャーリー達の家に同居していたが、1983年に交通事故で死んでしまう。幼いチャーリーにとっては「世界で一番好きな人」だったが、物語終盤で、チャーリーはヘレンおばさんに性的な行為を受けていたことが明らかになる。
トモダチ
チャーリーが手紙を出している、会ったことも喋ったこともない相手。チャーリーは「トモダチ」に手紙を出す理由を、「あるパーティーで女の子と寝ようと思えばそうできたのに手を出さなかった」と噂で聞いたからだと冒頭で語っている。

作中に登場する芸術・作品

文学

チャーリーの英語の教師、ビルが課題として読ませる。チャーリーはこれらの本をお気に入りと評している。

またE・E・カミングスによる詩、ランディ・シルツ著の『カストロ通りの市長』、アン・ライスの本や、映画『レッズ』に登場する女性作家エマ・ゴールドマンのような人物が言及されている。

映画

テレビ番組

音楽

ヴィレッジ・ピープルブロンディジム・モリソンジョン・レノンスリッツビリー・ホリデイといった他のアーティストも言及されているが、曲目については言及されていない。

日本語訳

  • スティーヴン・チョボウスキー『ウォールフラワー』小西未来訳、アーティストハウス(発行)、角川書店(発売)、2001年4月27日
  • スティーブン・チョボスキー『ウォールフラワー』田内志文訳、集英社文庫、2013年11月20日

脚注

  1. ^ Marty Beckerman. “An Interview with Stephen Chbosky” (英語). Word Riot. Word Riot. 2012年5月27日閲覧。
  2. ^ The Perks of Being a Wallflower:Synopses & Reviews”. Powell's City of Books. Powells.com. 2012年5月27日閲覧。
  3. ^ The Perks of Being a Wallflower”. Indiebound.org. American Booksellers Association. 2012年5月27日閲覧。
  4. ^ http://www.ala.org/ala/issuesadvocacy/banned/frequentlychallenged/21stcenturychallenged/2009/index.cfm

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