ウォールズ・オブ・ジェリコ (アルバム)とは? わかりやすく解説

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ウォールズ・オブ・ジェリコ (アルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/07 00:08 UTC 版)

ウォールズ・オブ・ジェリコ
ハロウィンスタジオ・アルバム
リリース
録音 1985年9月 - 10月
Musiclab Studio(ドイツベルリン
ジャンル ヘヴィメタル
メロディック・パワー・メタル
時間
レーベル ノイズ・レコード
ビクターエンタテインメント
プロデュース ハリス・ジョンズ
ハロウィン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 40位(日本・オリコン
  • ハロウィン アルバム 年表
    ハロウィン
    (1985年)
    ウォールズ・オブ・ジェリコ
    (1985年)
    守護神伝 -第一章-
    (1987年)
    音楽・音声外部リンク
    Walls of Jericho - YouTube
    テンプレートを表示

    ウォールズ・オブ・ジェリコ』(Walls Of Jericho)は、ドイツヘヴィメタルバンドハロウィン1985年12月に発表した初のフルレンス・アルバム、およびそのアルバムの1曲目に収録されている楽曲のタイトルである。オリジナル盤はノイズ・レコード、日本盤はビクターエンタテインメントから発売された。ジェリコの壁(エリコの壁)とは、旧約聖書ヨシュア記』に言及される壁。

    1994年10月21日に、LPジャケット・スペシャル・コレクション(紙ジャケット仕様)が発売された。

    単体発売の他、本作とミニアルバム『Helloween』の楽曲、シングル『Judas』の表題曲をひとつにまとめ、『ハロウィン/ウォールズ・オブ・ジェリコ/ジューダス』(Helloween/Walls Of Jericho/Judas)として発売されたこともあった。これについても本項で述べる。

    解説

    • 前作『Helloween』はスラッシュメタル色が強かったが、本作では叙情的なメロディを強調したパワーメタルへと変化し、後にメロディック・パワー・メタルと呼ばれるサウンドを確立した。イギリスのバンド、マリスの『In The Beginnig』のプロダクションを真似しようとしたとマイケル・ヴァイカートはインタビューで答えている[6]
    • ドイツ国内での総売上は約11万枚を超え、セールス面でアクセプトと並ぶ(マイケル・ヴァイカート曰く「おそらくスコーピオンズと張り合う位」)程のヒットとなった[7]
    • ヴァイカートは、本作の製作に専念するために通信販売サービス(注文のあったレコードを棚から取り、それを送付担当者に渡す係)の仕事を辞めた。退職から数ヵ月後、ミニアルバム『Helloween』にサインをするために元の職場に出向いた[6]
    • ジャケットはハロウィンのマスコット「Fang Face」が戦いが行われている城を打ち砕いているイラストで、ヴァイカートが考えたものである。後にヴァイカートはこのFang Faceが、アイアン・メイデンの真似をしている(デザインがアイアン・メイデンのマスコットキャラであるエディと酷似している)という理由で嫌いになったため、本作以降登場していない。ただし、Fang Faceと同じく、マントを纏った人物(顔は描かれていない)は『守護神伝』シリーズや『The Time Of the Oath』等に登場している。なお、Fang Faceは後にハンセンが結成したバンドGamma Rayのアルバム(1995年発売の4th『Land of the Free』以降)で再登場し、現在に至るまで定着している。
    • イギリスロック専門誌『ケラング!』の編集者のサヴィアー・ラッセルは、とある日曜日の晩に彼を訪ねてきたメタリカドラマーであるラーズ・ウルリッヒと一緒に、ウォッカを飲みながらスカッシュラケットをギターに見立てて本作のプレイを真似したという[6]

    収録曲

    1. ウォールズ・オブ・ジェリコ Walls Of Jericho (0:48)
      (作曲:Weikath / 編曲:Hansen
      ロンドン橋落ちた』(原題:London Bridge is Falling Down)を元にしたオーケストラ風のインストゥルメンタル。そのまま次の曲へと繋ぐ。
    2. ライド・ザ・スカイ Ride The Sky (5:55)
      (作詞・作曲:Hansen / 編曲:Helloween
      曲を作ったカイ・ハンセンにヴァイカートは「お前のこの曲のブリッジは、何で俺の作った『How Many Tears』と似ているんだ?」と尋ねたことがあった(非難するつもりではなかった)[6]。ハロウィンのライヴの他、カイが結成したガンマ・レイのライヴでも、現在まで頻繁に演奏されている。
    3. レプタイル Reptile (3:44)
      (作詞・作曲:Weikath / 編曲:Helloween)
      歌詞は突然変異で巨大化した爬虫類(レプタイル)によって人類が滅亡するという奇抜な内容。これは当時まだ問題が深刻化する前だったエイズをモチーフとしており、ヴァイカートは「自身が望んでいたロック史に残る名作にはなり損ねたが、今でも気に入っている」と評している[6]
    4. ガーディアンズ Guardians (4:19)
      (作詞・作曲:Weikath / 編曲:Helloween)
      ヴァイカートはこの曲を気に入っており、本曲に見られる「海の囃子歌」風なメロディは、現在多くのドイツバンドが用いているとインタビューで話している[6]。日本では大阪近鉄バファローズのヒットテーマとして用いられた。
    5. ファントムズ・オブ・デス Phantoms of Death (6:34)
      (作詞・作曲:Hansen)
    6. メタル・インヴェイダーズ Metal Invaders (4:10)
      (作詞:Hansen/Weikath / 作曲:Hansen / 編曲:Helloween)
      元々はコンピレーションアルバム『Death Metal』に収録されていた曲。リアレンジされ、パワーメタル色を強めた。
    7. ゴーガー Gorgar (3:55)
      (作詞:Hansen / 作曲:Hansen/Weikath / 編曲:Helloween)
      タイトルの「ゴーガー」とは1979年に登場したピンボールの機種名のこと。ピンボールに溺れるギャンブラーをドキュメント調で描いている。クラシック曲「山の魔王の宮殿にて」のフレーズを使用[8]
    8. ヘヴィ・メタル(イズ・ザ・ロー) Heavy Metal (Is the Law) (4:00)
      (作詞・作曲:Hansen/Weikath / 編曲:Helloween)
      バースはカイが作り、残りの部分を全てヴァイカートが書いた[6]。この曲のみ、スタジオ音源ではなく、ライヴでの収録である。
    9. ハウ・メニー・ティアーズ How Many Tears (7:15)
      (作詞・作曲:Weikath / 編曲:Helloween)
      反戦をテーマに掲げた楽曲。元々ヴァイカートが書いていたバラードをハロウィン向けに手直しした曲で、UFO『Lights Out』を手本にしたという[6]。ヴァイカートは当時、この曲のおかげで「マイケルだか何だか、奴はまともに曲を作れると考えているのか?」等と批判された[6]

    LP盤は1曲目から5曲目までがA面、6曲目から9曲目がB面となっている。

    演奏メンバー

    ハロウィン/ウォールズ・オブ・ジェリコ/ジューダス

    ハロウィン/ウォールズ・オブ・ジェリコ/ジューダス
    ハロウィンスタジオ・アルバム
    ジャンル ヘヴィメタル
    メロディック・パワー・メタル
    時間
    レーベル ノイズ・レコード
    ビクターエンタテインメント
    テンプレートを表示

    ハロウィン/ウォールズ・オブ・ジェリコ/ジューダス』(Helloween/Walls Of Jericho/Judas)は、ドイツヘヴィメタルバンドハロウィンカイ・ハンセンのボーカル時代の楽曲を集めた、いわゆる企画アルバムである。オリジナル盤はノイズ・レコード、日本盤はビクターエンタテインメントから発売された。ジャケットなどは『Walls Of Jericho』のものを使用している。

    1989年の日本盤リリース当初の物はボーナストラックとしてDon't Run For Coverが収録されていたが、1992年8月26日に再発売されたバージョンから収録されなくなった。

    2006年(日本盤は同年2月22日)には、デジタルリマスター版のエクスバンデッド・エディションが発売された。その際、ボーナス・トラックを収録したCDを1枚追加した2枚組となった。

    収録曲

    曲の解説は他のアルバム・シングルの項目で解説しているため一部省略する。

    オリジナル盤・エクスバンデッド・エディションDisc 1

    1. スターライト Starlight (5:17)
    2. マーダラー Murderer (4:20)
    3. ウォリアー Warrior (4:00)
    4. ヴィクティム・オブ・フェイト Victim Of Fate (6:37)
    5. クライ・フォー・フリーダム Cry For Freedom (6:02)
    6. ウォールズ・オブ・ジェリコ Walls Of Jericho (0:48)
    7. ライド・ザ・スカイ Ride The Sky (5:55)
    8. レプタイル Reptile (3:44)
    9. ガーディアンズ Guardians (4:19)
    10. ファントムズ・オブ・デス Phantoms of Death (6:34)
    11. メタル・インヴェイダーズ Metal Invaders (4:10)
    12. ゴーガー Gorgar (3:55)
    13. ヘヴィ・メタル(イズ・ザ・ロー) Heavy Metal (Is the Law) (4:00)
    14. ハウ・メニー・ティアーズ How Many Tears (7:15)
    15. ジューダス Judas (4:41)
    16. ドント・ラン・フォー・カバー Don't Run For Cover (4:48)
      1989年版のボーナストラック。4thシングル「I Want Out」のc/w。

    エクスバンデッド・エディションDisc 2

    1. マーダラー(リミックス) Murderer (Remix) (4:33)
      コンピレーションアルバム『Treasure Chest』収録バージョン。
    2. ライド・ザ・スカイ(リミックス) Ride The Sky (Remix) (6:43)
      コンピレーションアルバム『Treasure Chest』収録バージョン。
    3. ライド・ザ・スカイ(ライヴ) Intro / Ride The Sky (Live) (7:16)
      1stシングル「Judas」c/w。
    4. ガーディアンズ(ライヴ) Guardians (Live) (4:26)
      1stシングル「Judas」c/w。
    5. オーンスト・オブ・ライフ Oernst Of Life (4:45)
      (作詞・作曲:Weikath / 編曲:Helloween)
      コンピレーションアルバム『Death Metal』より収録。
    6. メタル・インヴェイダーズ Metal Invaders (4:33)
      コンピレーションアルバム『Death Metal』収録バージョン。
    7. サプライズ・トラック Surprise Track (2:07)
      Helloween』ピクチャーディスク収録曲。

    脚注

    1. ^ Rivadavia, Eduardo. “Helloween Walls of Jericho review”. AllMusic. Rovi Corporation. 2011年12月30日閲覧。
    2. ^ Popoff, Martin (1 November 2005). The Collector's Guide to Heavy Metal: Volume 2: The Eighties. Burlington, Ontario, Canada: Collector's Guide Publishing. p. 157. ISBN 978-1-894959-31-5 
    3. ^ http://www.metal-observer.com/articles.php?lid=1&sid=1&id=2464
    4. ^ http://www.metal-observer.com/articles.php?lid=1&sid=1&id=9932
    5. ^ Stagno, Mike (2006年10月31日). “Helloween - Walls of Jericho”. Sputnikmusic. 2013年8月20日閲覧。
    6. ^ a b c d e f g h i 『Helloween/Walls Of Jericho/Judas Expanded Edition』ライナーノーツ
    7. ^ 『Keeper Of The Seven Keys Part 1 Expanded Edition』ライナーノーツ
    8. ^ “ヘヴィ・メタル・ファンのためのクラシックコンピ「メタル・クラシックス」2タイトルがメタルフロンティアから発売”. amass. (2012年5月10日). https://amass.jp/5075/ 

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