イムノクロマトグラフィー法
別名:免疫クロマトフラフィー法、イムノクロマトグラフィー、免疫クロマトフラフィー、免疫クロマト法、イムノクロマト法、免疫クロマト、イムノクロマト、IC法
英語:immunochromatography、immunochromatography method
抗原抗体反応を利用した、迅速検査の手法の一つ。主に、細菌やウイルスなどの病原体の検出に用いられる。
イムノクロマトグラフィー法は、抗体を含む標識粒子が敷き詰められたセルロース膜上に、血液などの検体を滴下することで行われる。仮に検体中に抗原が含まれていれば、その抗原と膜上の抗体が抗原抗体反応を起こして複合体を形成する。形成された複合体は、毛細管現象によって膜上を移動するが、その先には別種の抗体が線状に配置されており、複合体と結合して発色する仕組みになっている。
イムノクロマトグラフィー法は目視で結果を判定することができるため、簡便な方法として、市販の妊娠検査薬などでも用いられている。しかし、感度や信頼性はさほど高くなく、検体に抗原が含まれていても発色しない結果(偽陰性)があり、逆に抗原が含まれていないのに発色する結果(偽陽性)もある。感度を高めるためには、蛍光色素と蛍光読み取り装置を使用した蛍光イムノクロマトグラフィー法を用いる手段がある。
イムノクロマトグラフィ
イムノクロマトグラフィは抗原抗体反応を利用して抗体の有無を判別する手法。
概要
アフィニティークロマトグラフィーの一種で抗原抗体反応を利用して抗体の有無を判別する[1]。簡便な分析手法であるため、開発途上国での結核などの伝染病の罹患の判別にも適用可能で徐々に応用範囲が拡大しつつある[2]。
利点
従来は病院の分析室に設置されていたような固定式の分析装置で行っていたような分析が、その場で判定できるようになる[3]。そのため、迅速な治療、隔離などの対応が可能になる。
原理
血液や唾液、尿等の試料を垂らすと、滴下部に前もって用意された金属コロイド等で標識された抗体と免疫複合体を形成しながらセルロース膜上のキャプチャー抗体と結合して色素を放出することにより判別する[1]。
用途
- ウイルスチェック
- 妊娠検査
他多数
脚注
- ^ a b “イムノクロマト法” 2020年10月28日閲覧。
- ^ 長谷川美幸, et al. "免疫クロマトグラフィによる結核菌群迅速同定に関する検討." 感染症学雑誌 77.2 (2003): 110-115.
- ^ 山崎雅彦, et al. "イムノクロマトグラフィー法によるインフルエンザ迅速診断キットの臨床的検討." 感染症学雑誌 75.12 (2001): 1047-1053.
関連資料
- 小松方, et al. "ラテックス凝集法およびイムノクロマトグラフィーを用いた糞便中 Escherichia coli O157: H7 の迅速検出法について." 感染症学雑誌 71.11 (1997): 1124-1130.
- 今井敏彦, et al. "イムノクロマトグラフィー法." 臨床と微生物= Clinical microbiology 25.6 (1998): 803-808.
- 小松方, et al. "ラテックス凝集法およびイムノクロマトグラフィーを用いた糞便中 Escherichia coli O157: H7 の迅速検出法について." 感染症学雑誌 71.11 (1997): 1124-1130.
- 西敏夫, et al. "イムノクロマトグラフィ法による乳頭分泌液中 CEA 測定." 日本乳癌検診学会誌 12.1 (2003): 114-118.
- 市川正孝. "イムノクロマトグラフィー法と酵素免疫法を組み合わせた原理による新しい迅速診断キット (エスプラインインフルエンザ A&B) の検討." 医学と薬学 49 (2003): 469-478.
- 三田村敬子, et al. "イムノクロマトグラフィー法と酵素免疫法を組み合わせた原理によるインフルエンザ迅速検査キットの検討." 感染症学雑誌 78.7 (2004): 597-603.
- 佐々木和裕, et al. "イムノクロマトグラフィーによる玄米中のカドミウムのスクリーニング." 分析化学 57.2 (2008): 105-112.
関連項目
- イムノクロマト法のページへのリンク