イムディーナとは? わかりやすく解説

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イムディーナ【L-Imdina】

読み方:いむでぃーな

地中海中央部島国マルタ共和国の町。マルタ島中央部標高200メートルの丘に位置する紀元前8世紀フェニキア人城塞築き古代ローマ時代に町が拡張され中世ノルマン人支配の下、より堅固な城壁造られた。1565年オスマン帝国軍による大包囲戦の後、バレッタ遷都するまでの間、首都置かれた。現在も城門見張り台マルタ騎士団長の館などが残るほか、17世紀末の大地震の後に再建され聖パウロ大聖堂がある。ムディナ

イムディーナの画像
撮影・Shadowgate http://os7.biz/u/basuC

イムディーナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/02 14:48 UTC 版)

近隣の町ラバトから眺めたイムディーナ
イムディーナの紋章

イムディーナMdina、正式名L-Imdina、Medinaとも)は、マルタ最古の都市。マルタ島中央部にあり、かつては首都であった[1]。中世の狭い静かな通りを持つ城郭都市であり、『静寂の町』の異名を持つ。城壁に囲まれた面積は約8万㎡と小さく、東京ドームの2倍弱である。人口は292人(2014年)[2]

歴史

イムディーナでの定住の痕跡は、紀元前4000年より前に遡る。紀元前700年頃にフェニキア人によって初めて要塞化された。これは、町の位置が海まで見通せることが可能な島の最高点にあるという、軍事的要所であったことが理由である。マルタがローマ帝国支配を受けると、ローマの知事は自身の邸宅をイムディーナに建てた。60年に使徒パウロは、乗っていた船がマルタで難破した後にイムディーナで暮らしたと言われている。イムディーナという現在の名前を初めて与えたのは、870年頃にマルタへやってきたシチリアアラブ人によってである。アラブ語で町を意味する。彼らは広い堀と厚い防御用壁を持つ都市を作り上げ、近隣の町ラバトからイムディーナを切り離した。

1091年、ノルマン人がマルタを征服した。イスラム文化の影響を受けたノルマン王朝時代の建物が見られる。1565年のマルタ包囲戦では、長らくマルタ島の首都であり要塞と化していたイムディーナを聖ヨハネ騎士団が最後まで守り抜いた。この戦いの後、騎士団は首都をバレッタに移す。1693年には地震に見舞われ、多数の建物が崩壊した。地震後の1702年に聖堂は、マルタ人建築家ロレンゾ・ガファの設計で再建された。1798年、ナポレオンのフランス軍によるマルタ侵攻に伴い占領されたが、間もなくフランス軍への反乱蜂起の主要舞台となり、フランス軍は最終的に英軍に降伏、マルタ全土から撤退する。その後はマルタがイギリスの保護領化されたことに伴い、20世紀後半における独立までイギリスの支配を受けることになる。

1883年、マルタ鉄道が開通し、バレッタと結ばれた(1931年廃止)。

現在

今日、イムディーナはマルタを代表する観光地のひとつである。広場に建つ聖パウロ聖堂がランドマークとなっており、ノルマン建築、バロック様式などの個人の邸宅や教会が混ざり合って残っている。また、城壁の修復工事が継続的に行われている。路地などに喧騒はあまりなく、「静寂の街」といわれる。

ラバト(人口約1万人)の郊外にあり、狭い通りをそぞろ歩く静かな環境が維持されている。市内への自動車乗り入れが制限されているが、限られた地元住民の自家用車、救急車、結婚式の車などは許可されている。

見どころ

上空から
  • 聖パウロ聖堂
  • ヴィルヘナ邸
  • ファルゾン邸
  • 聖アガタ礼拝堂
  • 聖ニコラオス礼拝堂
  • 自然史博物館
  • カルメル会派教会・修道院 1675年完成。マルタで最も美しいバロック建築ともいわれる。
  • ベネディクト会派修道院

ギャラリー

脚注

  1. ^ デジタル大辞泉の解説”. コトバンク. 2018年5月20日閲覧。
  2. ^ Estimated Population by Locality 31st March, 2014”. Government of Malta. 2015年6月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月9日閲覧。

外部リンク

座標: 北緯35度53分9秒 東経14度24分11秒 / 北緯35.88583度 東経14.40306度 / 35.88583; 14.40306



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