イナモリソウとは? わかりやすく解説

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いなもり‐そう〔‐サウ〕【稲森草/稲盛草】

読み方:いなもりそう

アカネ科多年草日本特産湿った山地樹林下に生え、高さ3〜10センチ全体に軟毛がある。の上部に4〜6対生する晩春淡紫色長い筒状の花を開く。江戸時代三重県稲森山からこれを採って売ったという。よつばはこべ。


稲荷森草

読み方:イナモリソウ(inamorisou)

アカネ科多年草

学名 Pseudopyxis depressa


イナモリソウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/08/24 02:54 UTC 版)

イナモリソウ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asterdiae
: アカネ目 Rubiales
: アカネ科 Rubiaceae
: イナモリソウ属 Pseudopyxis
: イナモリソウ P. depressa
学名
Pseudopyxis depressa Miq.
和名
イナモリソウ

イナモリソウ Pseudopyxis depressa Miq. はアカネ科草本。地表に張り付くように葉を広げ、大きな花をつける。

特徴

背の低い多年生の草本[1]。地下に細く伸びる根茎を持ち、その先端に直立する茎を着けるが、高さは普通は3-5cmほどにしかならない。ただし時には10cmに達することもある[2]。葉は対生するが、二対ないし三対しかなく、それが茎が短くて間が狭いためロゼット状に地表に広がる。よく見られるのは上の二対が互いに接近し、四輪生に見えるものである。葉は長さ3-6cm、幅2-4cm、卵形あるいは三角状卵形で先端は鋭く尖り、基部は丸いかやや心形にくぼみ、3-10mmの葉柄に繋がる。葉には全体に短い軟毛が一面に生える。托葉は先が尖った小さな三角形で、長い軟毛がある[3]

花期は5-6月。葉腋から一個ずつ、あるいは枝先に1-2個の紅紫色の花をつける。萼は釣り鐘型で半ばまで五裂し、裂片は広披針形で先が尖る。また、剛毛が一面に生える。花冠は長さ2.5cm、内面には短い毛をまばらに出す。雄蘂は五本あり、花冠の筒部の上部について、花糸は短い。蒴果は長さ3mm、幅6mmの倒三角形。

和名は江戸時代尾張の花屋の九兵衛が菰野(現在の三重県三重郡菰野町)の稲盛山で発見し、この名を付けたとされる[4][5]

分布と生育環境

日本固有種で、関東以西の本州から九州までに知られる。山地の路傍などに見られる[6]

土が崩れて他の植物には不適な場所に群生することが多い[7]

類似種

本種が所属するイナモリソウ属は、属単位で日本に固有で、もう一種、シロバナイナモリソウ P. heterophylla があるだけである。本種とは名の通りに花色が異なるほか、より背が高く、葉が間を置いて付くなどの違いがある。

なお、名が似ているサツマイナモリ Ophiorrhiza japonica は別属のサツマイナモリ属に所属する。この属には琉球列島に更に別種がある。

保護の状況

環境省のレッドリストには取り上げられていない。都道府県ごとのレストでは、分布域の境界付近の各地で指定されている例がある。減少には園芸用の採取が原因の一つとされている[8]

出典

  1. ^ 以下、主として佐竹他(1981),p.49
  2. ^ 北村他(1957),p.107
  3. ^ 北村他(1957),p.107
  4. ^ 福岡(1997)p.25
  5. ^ 佐竹他(1981),p.49
  6. ^ 佐竹他(1981),p.49
  7. ^ 福岡(1997)p.24
  8. ^ 例えば[1][2]など

参考文献

  • 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他『日本の野生植物 草本III 合弁花類』,(1981),平凡社
  • 北村四郎・村田源・堀勝、『原色日本植物図鑑・草本偏I』、(1957)、保育社
  • 福岡誠行、「ハクチョウゲ」『朝日百科 植物の世界 2』、(1997)、朝日新聞社:p.24-25


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