アータヴァカの説話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/15 05:53 UTC 版)
立川武蔵(国立民族学博物館教授)は、 恨みを抱いたまま不遇の死を遂げたある将軍が、臨終に際して、夜叉となって転生し、都城内の男女をすべて食べるという誓願を起こした。そして、実際、その死後に病死者が続出したため、人々は一人ずつ人身御供を夜叉に捧げるようにした。順番が来てある長者の家で、生まれたばかりの子どもが捧げられることになった。嘆き悲しむ妻を夫は慰め、愛児を夜叉に捧げるために林の中に送り、長者夫妻は髙楼に上って、一心に子どもの無事を祈った。仏眼によってこのことを知った釈尊は、ただちに夜叉のところに赴き、法を説いて浄心を生せしめ、仏教に帰依させた。そして釈尊の手によって長者夫妻のもとに、無事赤ん坊は送り返された。 — 立川武蔵、 「癒しと救い -アジアの宗教的伝統に学ぶ」、2001年、pp.158-159。 と述べている。
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