アーキテクチャ上の問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 20:53 UTC 版)
「IBM 1620」の記事における「アーキテクチャ上の問題点」の解説
IBM 1620のアーキテクチャは科学技術分野では非常に人気となったが、情報工学者エドガー・ダイクストラはいくつかの設計上の問題点を EWD37 "A review of the IBM 1620 data processing system" で指摘した。 ダイクストラが指摘したのは、1620 の Branch and Transmit 命令(サブルーチンコール)と Branch Back 命令(サブルーチンからの復帰)による1レベルのサブルーチンコールの問題である。復帰先アドレスをレジスタに保持する方式になっており、しかも先述の通りレジスタにプログラムからアクセスすることができない。したがって、入れ子構造にすることができず、プログラミングは極めて限定されてしまう。第二の問題はレコードマークのあるレコードを紙テープから正しく読み込めない点である。1620は紙テープの終わりを示す END OF LINE(EOL)をレコードマークに置換してメモリ上に格納する。したがって、読み込んだ内容を調べるとき、それが元々レコードマークなのかEOLだったのか区別できない。また、読み込んだデータのサイズもプログラムからは分からないようになっていた。この結果、レコードマークを含んだ内容を紙テープにパンチすることもできない(最初のレコードマークでパンチが止まってしまう)し、紙テープをコピーすることもできない。 1620を設置したところでは、可能な限り紙テープよりもパンチカードを入出力に使用した。1620の後継である IBM 1130 は全く異なる16ビットアーキテクチャとなっている。
※この「アーキテクチャ上の問題点」の解説は、「IBM 1620」の解説の一部です。
「アーキテクチャ上の問題点」を含む「IBM 1620」の記事については、「IBM 1620」の概要を参照ください。
- アーキテクチャ上の問題点のページへのリンク