アンビギューティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/12 18:10 UTC 版)
曳航式アレイにおいては、音波を探知しても、線上のアレイに対してどのような角度をなすかしか分からず、上下左右のどの方向から来たかが分からないというアンビギューティ(ambiguity, AMBI)の問題がある。このため、目標の音を探知した場合、母艦の側が変針することで探知目標の方位を変え、交差方位法で目標方位を得ることがある。このように真の目標方位を決定することをアンビギューティ除去(アンビ除去)と称する。 ただし曳航式アレイでは、アレイが直線状であるという前提でビーム形成を行なっているため、変針のあと艦をしばらく直進させて、アレイを直線状に戻さなければ探知を再開できない問題がある。これに対し、アレイの途中に深度センサーと方位センサーを組み込むことで、変針中でもアレイを複数の曲線の組み合わせとして表現し、ビーム形成を可能とした機種もある。 またアンビギューティの問題についても、線状に配列する各ハイドロフォンを3個ないし4個一組とすることで指向性をもたせることで対応した機種も出現している。ただしアレイの中に3~4個のハイドロフォンを近接して配置して左右判別のためのビームを形成することは、音響的にわずかな位相のずれしかない信号同士の差分をとることになり、到来する音響信号に対する感度を著しく低下させるという指摘もあり、一般化してはいない。
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