アフロディシアスのアレクサンドロスについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 09:12 UTC 版)
「キリキアのシンプリキオス」の記事における「アフロディシアスのアレクサンドロスについて」の解説
シンプリキオスの註解のソースには、ネオ・プラトニストの注解者ポルフュリオスやイアンブリコスの他に、アフロディシアスのアレクサンドロスの名を挙げることができる。しかし彼が盲目的にアレクサンドロスを支持しているわけではなく、アレクサンドロスの言うところを注意深く検討した。シンプリキオスが『自然学』『天体論』『カテゴリー論』のアレクサンドロスの注解を直接参照したことはよく知られる。これらの原文はすべて失われたが、シンプリキオスの証言に基づいてかなり部分を再構築することができる。シンプリキオスはアレクサンドロスに多くを負っているが、彼に対する態度は曖昧であり、それはシュリアノスのアレクサンドロスの態度に匹敵する。シュリアノスは『形而上学』の註解はアリストテレスがピュタゴラス的プラトン思想を批判するΜ巻Ν巻などに焦点を当てているが、それ以外の箇所ではアレクサンドロスで十分としている。彼等プラトニストの間でもアレクサンドロスの注釈者としての価値は高かったが、彼は強固なペリパトス派のアリストテレス主義者であり、アリストテレスをプラトンの伝統に統合するための障害ともなり得た。アレクサンドロスは常にプラトンに対してアリストテレスを支持したが、シンプリキオスはアリストテレスの師(プラトン)に向けた発言を、表面的な意味(ファイノメノン)と実際の意味(ディアノイア)を区別し、それらによって彼の言葉を理解しようとした。 シンプリキオスは『天体論注解』のいくつかの箇所で「アレクサンドロスは明らかに他のペリパトス派の学者よりもよくアリストテレスの言葉を理解しているが、アリストテレスのプラトンへの反論は表面的な意味に向けられていることを留意すべきであった」「彼はアリストテレスが理解したプラトンの教えを理解していないし、彼等の見解が一致していることを認めていない」と述べた。
※この「アフロディシアスのアレクサンドロスについて」の解説は、「キリキアのシンプリキオス」の解説の一部です。
「アフロディシアスのアレクサンドロスについて」を含む「キリキアのシンプリキオス」の記事については、「キリキアのシンプリキオス」の概要を参照ください。
- アフロディシアスのアレクサンドロスについてのページへのリンク