アフラトキシンB2の合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/03/27 15:40 UTC 版)
「アフラトキシン全合成」の記事における「アフラトキシンB2の合成」の解説
アフラトキシンB2の全合成は、キノン 1 とエノールエーテル(2,3-ジヒドロフラン)の [2+3] 環化付加から始まる多段階の経路である。この反応はCBS触媒を用いて行い、エナンチオ選択的に進行させることができる。次に、得られた 2 をダフ反応でホルミル化する。3 のヒドロキシ基は無水トリフルオロメタンスルホン酸 (Tf2O) でトリフラートエステルとして保護し、以降の反応に備える。4 のアルデヒド部位をグリニャール試薬 (CH3MgBr) でメチル化してアルコール 5 とし、さらにデス・マーチン酸化によりケトン 6 に変換する。6 をバイヤー・ビリガー酸化に付して生成するエステル 7 をラネーニッケルを用いて還元すると、アセチル基が取り除かれてフェノール性ヒドロキシ基が得られると共に、トリフラート基が除去される。最後の段階では炭酸亜鉛の存在下で 8 にビニルブロミド誘導体を反応させ、エチルエステルのエステル交換と同時にベンゼン環とのカップリングを行うことにより、クマリン骨格を導入する。
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