アウルム・ハベト・トロサヌム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/18 16:33 UTC 版)
「トロサの黄金」の記事における「アウルム・ハベト・トロサヌム」の解説
トロサの黄金そのものは以後見つかることが無かったが、(大)カエピオの属するセルウィリウス氏族がこの後に分不相応に裕福になったことから、トロサの黄金はこの氏族の中で管理されていたのではないかとされている。しかし、大カエピオやその後継者たちは次々と不幸な最期を遂げることになる。カエピオの息子小カエピオは、同盟市戦争でマルシ人の将軍クィントゥス・ポッパエディウス・シロの罠にかかって奇襲を受け、自らの命と軍を失った。同名のその息子は、名の分からない病にかかり死亡した。カエピオの最後の後継者となったのが、大カエピオの曽孫にあたるマルクス・ユニウス・ブルトゥスである。彼は独裁官ガイウス・ユリウス・カエサル暗殺に参加し、後にフィリッピの戦いで戦死した。 この何世代にもわたる不幸が続いたことから、「トロサの黄金」は呪われているのだという言及がたびたびおこなわれている。最も早いものでは、ストラボンが「(トロサの黄金)を手にしたがゆえに……カエピオは不運のうちに生涯を閉じたのである。」と書いている。同じころの歴史家ポンペイウス・トログスは、アラウシオの戦いでの敗北は、大カエピオが宝物を盗んだ報いだったとしている。ラテン語で「アウルム・ハベト・トロサヌム」(Aurum habet Tolosanum 「彼はトロサの黄金を得る」の意)とは、「不正に得た富は何も幸福をもたらさない」という意味のことわざとなった。
※この「アウルム・ハベト・トロサヌム」の解説は、「トロサの黄金」の解説の一部です。
「アウルム・ハベト・トロサヌム」を含む「トロサの黄金」の記事については、「トロサの黄金」の概要を参照ください。
- アウルムハベトトロサヌムのページへのリンク