ぼかし (浮世絵)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/06 02:01 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動空、海、山、川などの部分に濃淡をつけて空間や塊を表現するもので、文化頃から板ぼかしが使用されるようになり、天保初期から拭きぼかし、当てなしぼかしなどが多く用いられるようになった。
板ぼかしとは、ぼかす部分の版木を木賊、椋の葉を使用して磨いて版面に傾斜をつけて摺るとガサッとした独特のぼかし効果が得られる。うねるような土坡の表現に用いられる。歌川国虎の錦絵『近江八景 三井晩鐘』の土坡がよく知られる。
拭きぼかしとは、ぼかしたい部分の版木をぬれ雑巾で拭いて、その上に絵具をのせ、刷毛で摺ると、水分に絵具が広がって紙にぼかしの表現ができる。水平で真っ直ぐなぼかしを「一文字ぼかし」といい、画面の最上部の一文字ぼかしを「天ぼかし」という。
当てなしぼかしとは、ぼかす部分の版木に水を垂らし、そこに絵具を含ませて摺ると、当てがなく偶然の形に滲んでぼかしが生じる。歌川広重の『名所江戸百景』におけるむら雲などの表現に使用されている。
参考文献
- 稲垣進一 『図説浮世絵入門』 河出書房新社、1990年
「ぼかし (浮世絵)」の例文・使い方・用例・文例
- 海綿は水を吸収しますので水彩絵具をぼかしたりする時に便利です。
- 彼は意見の相違を回避するために細部をぼかした.
- この写真の下の方にぼかしを入れてください.
- ぼかしの半身像
- ぼかした半身像(または半身写真)
- ぼかし写真
- 微妙な色彩のぼかし
- 上部を濃い色に,下方を薄い色に次第にぼかして染めた色
- 色のぼかし
- 日本画で,遠近や凹凸を表現するために,ぼかして描くこと
- 蝋瀬漆という,研出蒔絵ぼかしに用いる漆
- 写真において,焦点をわざとぼかして撮影すること
- 美術で,ぼかしの技法
- 繧繝という,縦縞の境をぼかして織った織物
- 数字をぼかしてあいまいに言う時に用いる語
- 写真のぼかし
- スフマートという,境界線をぼかして描く絵画技法
- モニター上の被検者の顔にはぼかしが入る。
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