水素製造
【英】: hydrogen production
現在の石油精製工業において水素は水素化脱硫や水素化分解などの製油工程で欠くことのできないものである。 水素を利用したプロセスは接触改質装置から副生する水素を自家燃料並みの値段で利用できることから発達してきた。通常、この副生水素の量は灯・軽油の脱硫程度までは賄えるが、重油の脱硫や水素化分解などを行う場合は水素消費量が大きいこともあり、副生水素のみでは不足するため、水素製造装置が併設されることが多い。現在、最も広く採用されている炭化水素を原料とする水素製造法は、スチームを用いて改質するスチーム・リフォーミング法とガス化剤として酸素または空気を用いる部分酸化法の 2 種類の製造法がある。スチーム・リフォーミング法は原料炭化水素(天然ガス、製油所のオフ・ガス、ブタン、ナフサなど)とスチームを 800 ℃前後で触媒を用いて反応させる方法で ICI 法、トプソ法などがある。部分酸化法は原料炭化水素(重質油も可能なプロセスも多い)と酸素を 1,000 ~ 1,400 ℃で無触媒下または触媒存在下で反応させ水素リッチ・ガスを得る方法で、Texaco 法、トプソ- SBA 法などがある。わが国の製油所では専らスチーム・リフォーミング法が採用されている。 |

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