しょうこう熱とは? わかりやすく解説

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しょうこう‐ねつ〔シヤウコウ‐〕【×猩紅熱】

読み方:しょうこうねつ

溶血性連鎖球菌によって起こる感染症。のどが痛み急に高熱出し全身発疹現れる小児多く治療にはペニシリンが有効。以前は、法定伝染病学校伝染病一つであったが、ペニシリン治療すれば軽症治ることが多いことから、溶連菌感染症という病名在宅治療を行うのが普通となり、現在では猩紅熱という病名法的な規制受けない


猩紅熱

(しょうこう熱 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/04 17:51 UTC 版)

猩紅熱
別称 scarlatina,[1] scarletina[2]
紅色の小さな発疹が全身にできる猩紅熱
概要
分類および外部参照情報
ICD-10 A38
ICD-9-CM 034.1
DiseasesDB 29032
Patient UK 猩紅熱

猩紅熱(しょうこうねつ、: scarlet fever)は、小児に多い発疹性感染症。明治年間に法定伝染病に指定され恐れられていた病気の一つだが、抗生物質の開発により、治療が容易になった。このため、1998年の法改正に伴い、法定伝染病(届け出が必要)ではなくなった。現在の感染症法ではA群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)として診断・治療を行うことがほとんどである。

概要

A群β溶血性連鎖球菌の毒素(発赤毒 (erythrogenic toxin)[3]、Dick毒素)によって発症する全身症状。発赤毒素に免疫のない人で発症する[4]。A群溶血性連鎖球菌咽頭炎(5類感染症定点把握疾患、溶連菌感染症)の1タイプ[5]。2歳 - 10歳の小児に多く発病し、小児が集まる機関(幼稚園、保育園、小学校)で集団発生する事がある。中耳炎・腎炎・リウマチ熱などと合併して発症する事がある。

日本では1957年(昭和32年)に流行し、届出のあった患者だけでも1万4500人、うち40人が死亡した事例がある[6]

感染様式

主に飛沫感染。

症状

通常はレンサ球菌咽頭感染症に続発し発症する[7]

  1. 潜伏期は2日 - 4日
  2. 前駆期は高熱と、咽頭痛(上気道炎)、頭痛、四肢痛、悪寒、となる事がある。
  3. 発疹期(第1病週)は紅色の小さな発疹が全身にできる。舌が腫れ、「いちご舌」、皮疹
  4. 落屑期(第2 - 3病週)は手のひらや足の裏から膜様鱗屑[3](皮がむけ、落ちる)
  5. 感染後 免疫反応としてリウマチ熱や糸球体腎炎を併発することがある[5]

主な合併症

  • 化膿性疾患
    • 肺炎、髄膜炎、敗血症など
  • 非化膿性疾患
    • リウマチ熱、急性糸球体腎炎

予防

患者との濃厚接触をさける[8]。うがい、手洗いなどの励行[8]

治療法

第一選択薬はペニシリン系抗生物質、ペニシリン、エリスロマイシンクリンダマイシン[7]、投薬期間は10日間[8]

関連法規

定点報告対象(5類感染症)[8]

参考画像

脚注

  1. ^ Scarlet Fever: A Group A Streptococcal Infection”. Center for Disease Control and Prevention (January 19, 2016). 12 March 2016閲覧。
  2. ^ Shorter Oxford English dictionary. United Kingdom: Oxford University Press. (2007). pp. 3804. ISBN 0199206872 
  3. ^ a b Q18猩紅熱(しょうこうねつ)はどのような症状ですか? 日本皮膚科学会
  4. ^ A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 厚生労働省
  5. ^ a b 臨床検査データブック2017-2018 疾患と検査 - 感染症,性病,寄生虫疾患 - 猩紅熱、医学書院
  6. ^ 日外アソシエーツ編集部編 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年、145頁。ISBN 9784816922749 
  7. ^ a b レンサ球菌感染症 MSDマニュアル プロフェッショナル版
  8. ^ a b c d A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは 国立感染症研究所感染症情報センター

関連項目



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