航空燃料油
【英】: aviation fuel
航空燃料油は大別して、航空ガソリンと航空タービン燃料油(ジェット燃料油)の二つに分けられる。第二次世界大戦後、航空機エンジンのタービン化が進み、航空ガソリンの重要性は薄れており、航空ガソリンは現在では小型軽飛行機、ヘリコプターなどに使用されている程度である。また、航空ガソリンの要求性状としてはアンチノック性が重要で、通常、オクタン価 100 以上である。一方、ジェット燃料油の場合はアンチノック性は問題ではなく、そのため、オレフィンや芳香族が少なく、オクタン価の低い直留ガソリンと灯油留分が用いられ、それらが適当に調合されたものである。日本工業規格(JIS)では、ASTM 規格に準拠して低析出点灯油型の 1 号(ASTM 規格の A-1 に相当)と高析出点灯油型の2号(ASTM 規格の A に相当)および広沸点型の 3 号(ASTM の B に相当)に分類している。ジェット燃料油に要求される性状としては、(1) 燃焼性が良く、かつ、持続性が良いこと、 (2) 重量あるいは容量あたりの発熱量が大きいこと、(3) 低温における始動性、高空でのベーパー・ロックなどに関連して揮発性が適当であること、(4) 低温時に固形物が析出しないことなどである。ジェット燃料油の沸点範囲は 50 ~ 250 ℃程度である。 |

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