くりこみ群方程式とは? わかりやすく解説

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くりこみ群方程式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 08:56 UTC 版)

くりこみ群」の記事における「くりこみ群方程式」の解説

くりこみ群方程式とは、端的にいえば、理論パラメータスケール変換に対して物理量どのように応答するかを記述する偏微分方程式のことである。 くりこみ変換関係式を、 G ( t , g ) {\displaystyle G(t,g)} の言葉で書くと、 G ( t s , g ) = G ( s , G ( t , g ) ) , {\displaystyle G(ts,g)=G(s,G(t,g)),} と表現できる。これは、関数等式としての「くりこみ群方程式」である。このままでは扱いにくいので、普通は G ( t , g ) {\displaystyle G(t,g)} の微分可能性仮定し偏微分方程式の形に直す。そのためには、 x = s t {\displaystyle x=st} とおいて、上式の両辺を t {\displaystyle t} で微分して t = 1 {\displaystyle t=1} とおけばよい。得られる式は x ∂ ∂ x G ( x , g ) − β ( g ) ∂ ∂ g G ( x , g ) = 0 , {\displaystyle x{\frac {\partial }{\partial x}}G(x,g)-\beta (g){\frac {\partial }{\partial g}}G(x,g)=0,} である。ただし、 β ( g ) {\displaystyle \beta (g)} は β ( g ) = ∂ ∂ t G ( t , g ) | t = 1 , {\displaystyle \beta (g)=\left.{\frac {\partial }{\partial t}}G(t,g)\right|_{t=1},} で定義されるこのような偏微分方程式を、「Gell-Mann=Low型のくりこみ群方程式」という。「Gell-Mann=Low型のくりこみ群方程式」とは異なり非同次項を持つくりこみ方程式現れることもある。そのようなタイプ方程式は、「Callan-Symanzik型のくりこみ群方程式」と呼ばれる得られ方程式1階線型偏微分方程式であるので、特性方程式 d x x = − d g β ( g ) {\displaystyle {\frac {dx}{x}}=-{\frac {dg}{\beta (g)}}} を解いて一般解求めることができ、それは ϕ ( F ( g ) + ln ⁡ x ) {\displaystyle \phi (F(g)+\ln x)} で与えられる。ただし、 F ( g ) {\displaystyle F(g)} は、 d F ( g ) d g = 1 β ( g ) {\displaystyle {\frac {dF(g)}{dg}}={\frac {1}{\beta (g)}}} を満足する関数、 ϕ ( z ) {\displaystyle \phi (z)} は z {\displaystyle z} の任意関数である。ここで、初期条件 G ( 1 , g ) = g {\displaystyle G(1,g)=g} により ϕ ( x ) {\displaystyle \phi (x)} は F − 1 ( x ) {\displaystyle F^{-1}(x)} であることが分かるので、結局、 G ( x , g ) = F − 1 ( F ( g ) + ln ⁡ x ) {\displaystyle G(x,g)=F^{-1}(F(g)+\ln x)} が解である。 関数 β ( g ) {\displaystyle \beta (g)} は、物理量スケール変換応答決定する重要な量で、ベータ関数呼ばれるベータ関数どうやって求めるかは重要な問題だが、摂動計算による以外、事実上方法はない。 場の理論で g {\displaystyle g} を頂点関数などに選び、 x {\displaystyle x} をくりこみ点 μ 2 {\displaystyle \mu ^{2}} に選んだ場合、 g {\displaystyle g} の x {\displaystyle x} 依存性は、いくつかの関数 f i {\displaystyle f_{i}} を通して現れる。よって、このときのくりこみ群方程式は、 x ∂ ∂ x G ( x , f 1 , … , f n ) − ∑ i = 1 n β i ∂ ∂ f i G ( x , f 1 , … , f n ) = 0 , {\displaystyle x{\frac {\partial }{\partial x}}G(x,f_{1},\dots ,f_{n})-\sum _{i=1}^{n}\beta _{i}{\frac {\partial }{\partial f_{i}}}G(x,f_{1},\dots ,f_{n})=0,} ベータ関数は β i ( f 1 , … , f n ) := ∂ ∂ t f i | t = 1 , {\displaystyle \beta _{i}(f_{1},\dots ,f_{n}):=\left.{\frac {\partial }{\partial t}}f_{i}\right|_{t=1},} となる。

※この「くりこみ群方程式」の解説は、「くりこみ群」の解説の一部です。
「くりこみ群方程式」を含む「くりこみ群」の記事については、「くりこみ群」の概要を参照ください。

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