Kamado Jikoとは? わかりやすく解説

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Kamado Jiko

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/30 00:49 UTC 版)

Kamado Jikoカマド・ジコ)とは、岸田袈裟アフリカケニア国際協力機構に参加していた時に、遠野かまどを手本に発案し、アフリカの乳幼児死亡率低減と薪の使用量削減に成果を挙げた「かまど」である[1]。「Jiko」とはスワヒリ語で「かまど」の意味。


  1. ^ 広報遠野2010年6月No.60号p.10には『名刺に記した肩書きはずっと「食物栄養研究家」のまま。「研究に協力してもらった人々への恩返し」という、袈裟さんの活動のスタンスもずっと変わらなかった。』とあるので本人の意思を尊重。
  2. ^ 岸田袈裟の実家にあった改良かまどは消防法の問題のため1980年代に撤去され現存していない。『遠野学』p.260を参照。
  3. ^ 遠野の「改良かまど」の写真は、『遠野学 vol.1 創刊号』(2012年) p.259(菊池弥生 執筆箇所)に掲載されている。
  4. ^ アフリカのKamado Jikoの形状は、NPO法人「少年ケニヤの友」FRISKC Japan「オバマ大統領のおばあさんのかまど・ジコ(Kamado Jiko) -2」などで確認できる。
  5. ^ 既に2000年には「少年ケニヤの友」はナイロビで Introducing the improved cooking stove, Kamado Jiko というガイドブックを発行しており、英語では Kamado Jiko の名称を使用していた。『遠野学』p.252, 265を参照。以降はこの記事においても岸田が考案したかまどは名称使用が確認されている2000年より前の出来事に言及している場合でも Kamado Jiko で統一する。
  6. ^ この点、UNHCR のCooking Options in Refugee Situations の p.12 には "If the stove-building mixture is not sufficiently malleable or is not holding together properly then it is likely that more clay is required. If stoves are cracking excessively during drying prior to use then it is likely that more sand is needed. If they are cracking during cooking itself then cow dung or grass might help make them more resistant to heat-related expansion and contraction." とあり、また p.14 には "There can also be cracking problems prior to firing if the newly made stoves are dried too rapidly, especially in hot areas, but this can usually be overcome by covering the moulded stoves with damp sacking." とある。
  7. ^ 1-5 までは『エンザロ村のかまど』p. 17,21にも同様の内容あり。
  8. ^ 薬草栽培の取り組みは、例えば三井物産支援の「森と命の家」プロジェクトの支援を受けていた。
  9. ^ 煙突の有無による CO, PM2.5 の発生量と換気による低減効果に関しては脚注に示した Test Results of Cookstove Performance p.66-69 を参照。
  10. ^ かまどは英語版の Hearth にリンクされており、日本の hearth の例として囲炉裏の写真がある。一方、Kitchen stove の記事には日本のかまどの写真がある。このように、英語では火を囲うか囲わないかで stove と hearth を区別する。Kitchen stove は主に米国で単に stove とも呼ばれ、ガスや電気を熱源に使用したものも含む。しかし日本のかまどはバイオマスを燃料にした物のみを指す一方で、三つ石かまどのように火を囲わない用法もある。このように日本語と英語で似た物を指す単語でも用法に違いがある。Biomass Cook Stoves は熱源にバイオマスを使用するもので、燃料として薪を使う事を示すには Wood-burning stove となる。この記事においては、英語の出典にある stove を全てかまどと統一して訳出する事も可能でその方がわかりやすいが、かまどの用法に依存した日本中心の観点になる事と訳語に制約をかけると他の利用者による将来の記事強化が厄介になるデメリットを考え、英文資料で stove となっている物はそのままストーブと訳出した。
  11. ^ 簡易的な方法は脚注に示した Cooking With Less Fuel: Breathing Less Smoke p.42-48 を参照。
  12. ^ もちろん1991年の昔にケニアで U.S. EPA 40 CFR Part 60 の Appendix A の方法で測定するというのは不可能な話である。
  13. ^ ULの安全性試験を手本に、調理ストーブに関してシャープエッジによる怪我、鍋の転倒、表面を触れて火傷する危険性等を簡易的に評価するもの。
  14. ^ 自動車の燃費測定でも現実と異なる値が出るのに似ている。JC08モードも参照。
  15. ^ アプロヴェチョ#ロレイナストーブの失敗も参照。
  16. ^ 実験では窯で水分含有量10%に乾燥させたダグラスモミを1cm×1.5cm×30cmに切った薪を使用している。さらに薪の水分1gを気化させるために2260Jが失われるとして補正をかけ、完全に乾燥した薪に相当する重量を算出して水分含有量の影響を相殺している。以降の実験における薪の使用量についても同様である。
  17. ^ 薪の持つエネルギーの何%が鍋に伝わるかの数字。ただし熱効率を鍋から蒸発する水の量から推定するため燃料の少なさとは一致せず、効率の比較には、例えば定まった量の米を炊くのに必要な燃料で比べるなどの方が使用実態に近い。
  18. ^ Baldwin stove という呼び方もある。VITA は様々な研究を行っており、Double-Drum Sawdust Stove など煙突を有するストーブの実験も行っている。ここでは、VITA の Samuel F. Baldwin 博士が1980年代に開発したストーブのうち、製作の容易性と低燃費のため西アフリカ各国で使用されてきた煙突無しストーブをアプロヴェチョが VITA Stove と呼んでいるため、出典通りにヴィータと訳出したものである。なお元の Baldwin の資料では単に Biomas Stove とされている。
  19. ^ VITA は非営利の国際支援団体 Volunteers in Technical Assistance の略で現在EnterpriseWorks/VITAに統合されている。
  20. ^ この箇所は Kenya Ceramic Jiko の抄訳
  21. ^ 熱量は木の種類によって上下する。「燃料と熱量の関係」の節も参照。
  22. ^ 『紀州備長炭の技と心』玉井又次(著) 創森社 2007年 ISBN 978-4883402045 p. 135 によれば、1トンのウバメガシから95kgの備長炭が生産されるとあるので、備長炭の変換効率は9.5%である
  23. ^ ジュール数で換算。「燃料と熱量の関係」の節も参照。
  24. ^ 大型で高価なパラボラ式なら可能であるが、資金を効率的に使い多くの難民を支援しなければいけない状況では導入して難民が毎日の調理に使いこなして燃料費の節約につながり支援に要するトータルのコストが削減できなければ結果的に効果無しと判断する。
  25. ^ 『遠野学』のp.264には「毎日、どこかで岸田氏の Kamado Jiko が作られており、正確な数を把握する事は不可能である。」とある。
  26. ^ 岸田は各地域のリーダー格の女性達を呼んでかまど製作セミナーを行った際、終わりに参加者に対し帰ったら何軒ぐらいに広められそうかを尋ねていた。『アフリカ生活25年 人類の足跡を追って』4,8頁参照。
  27. ^ 他にも、例えばトヨタ環境活動助成プログラムの東アフリカ草の根森林保全交流プロジェクトの支援を受けていた。
  28. ^ 2003年当時。現在の情報無し。なおナイロビは治安が悪く7人組の武装強盗が岸田宅に乱入し家中の財産を奪って逃げた事もある。参考文献に記載の広報遠野2010年6月号p.8を参照。
  29. ^ 岸田も国連のイベントで Kamado Jiko を紹介している。脚注にある「環境を考える経済人の会21」の“アフリカ生活25年 人類の足跡を追って (PDF)” p.8-9 を参照。
  30. ^ 『エンザロ村のかまど』は絵本であるが、翻訳家のさくまゆみこが現地を取材して文を書いたノンフィクションで、沢田としきも実際に現地を見てから絵を描いている(参照)ため、信頼性の高い内容となっている。
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  2. ^ 広報遠野 2010, p. 10.
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  9. ^ 菊池弥生 2012, pp. 251–252.
  10. ^ a b 菊池弥生 2012, p. 252.
  11. ^ さくまゆみこ 2009, p. 26.
  12. ^ さくまゆみこ 2009, pp. 26–27.
  13. ^ 菊池弥生 2012, pp. 253–254.
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  21. ^ Exposure to household air pollution World Health Organization
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  45. ^ アプロヴェチョ 2011, pp. 26–27, 110.
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  55. ^ アプロヴェチョ 2011, pp. 40–41, 110.
  56. ^ UNHCR 2002, p. 35.
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  59. ^ 環境を考える経済人の会21 2003, p. 11.
  60. ^ a b c 環境を考える経済人の会21 2003, p. 12.
  61. ^ さくまゆみこ 2006.
  62. ^ ケニアの岸田専門家、「千嘉代子賞」を受賞 国際協力機構
  63. ^ 宇宙人の改良かまど普及大作戦 国際協力機構
  64. ^ 少しの工夫でよりよい生活改善を!改良かまど設置編 国際協力機構
  65. ^ ゲンバの風 佐藤 真江 JICA専門家 国際協力機構
  66. ^ かまどフォローアップ ー袈裟さんの足跡をたどって NPO法人「少年ケニヤの友」 2012年9月23日
  67. ^ 菊池弥生 2012, pp. 263–265.
  68. ^ オバマ大統領のおばあさんのかまど・ジコ(Kamado Jiko) -1 NPO法人「少年ケニヤの友」FRISKC Japan, 2013年8月2日
  69. ^ オバマ大統領のおばあさんのかまど・ジコ(Kamado Jiko) -2NPO法人「少年ケニヤの友」FRISKC Japan, 2013年8月2日


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