面白きこともなき世をおもしろく
別表記:おもしろきこともなき世をおもしろく、面白きこともなき世を面白く
「面白きこともなき世をおもしろく」は、おおむね「もともと面白くも何ともない《この世》を面白く生きるかどうかは心の在りよう次第だ」という趣旨と理解される句。高杉晋作の辞世の歌として一般に知られる。
この「面白きこともなき世をおもしろく」は、通俗的には「このつまらない世の中を、私が面白くしてみせる!」という野心的な標語・スローガンとして用いられることがある。一般的には、こうした解釈は曲解・翻案・パロディ・二次創作の類と捉えられ、作者高杉の作意とは切り離して扱われる。
「面白きこともなき世をおもしろく」は、「面白きこともなき世をおもしろく / すみなすものは心なりけり」という短歌の上の句である。高杉が上の句を作り、それを受けて歌人・野村望東尼が下の句を詠んだ(連歌である)とされる。
山口県の防府天満宮に、この「面白き~」の歌を刻んだ碑(歌碑)が置かれている。この歌碑には、最初の「《面白き》」が漢字で表記され、続く「~こともなき世を《おもしろく》」はひらがなで表記されている。これにならって漢字ひらがなが混在する表記が用いられることが多い。
なお、「世を」の部分は本来は「世に」である、つまり「面白きこともなき世に~」とするのが正しい、とする説もある。
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