うみせんやません

実用日本語表現辞典

海千山千

読み方：うみせんやません

海千山千とは、海千山千の意味
海千山千とは、さまざまな経験を積んで、物事の裏表を知り尽くして悪賢いこと。中国故事の「海に千年、山に千年住んだ蛇は竜になる」という言い伝えから由来している四字熟語である。英語で海千山千を直接表現することはできないが、「Old fox」と表現される。英語では、Fox（狐）が狡猾、ずるいなどの意味を持ち、海千山千を訳すときに用いられる。

海千山千は、「すべてを知り尽くしており、ずる賢いこと」という意味を持つため、褒め言葉として使うことは誤用である。使うときは、「悪賢い、ずる賢い」という意味に置き換えて、使うかどうか判断した方がよい。

海千山千の類語

海千山千の類語には「老獪」や「曲者」「したたか」などが挙げられる。これらはどれも褒め言葉ではないので、注意が必要である。また、似たようなニュアンスで、「百戦錬磨」という言葉がある。多くの実戦で鍛えられていること、経験を積んで、技術を向上させることという意味を持っており、純粋に褒め言葉として用いることができる。ニュアンス自体は似ているものの意味が異なるので、使い分けには注意が必要である。

海千山千の例文、使い方

海千山千を用いた例文としては、「あの人は海千山千だから～」や「海千山千の社長」などが挙げられる。使い方は色々あるが、総じて、「ずる賢い誰か（社長であったり、商売相手であったり）」という意味合いの文章になる。

（2020年7月20日更新）

デジタル大辞泉

うみせん‐やません【海千山千】

読み方：うみせんやません

《海に千年、山に千年すんだ蛇(じゃ)は竜(りゅう)になるという言い伝えから》世間の経験を多く積み、物事の裏表を知り抜いていて悪賢いこと。また、そのような人。したたか者。海に千年山に千年。海千河千。「—の商売上手」