あおりの種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 23:29 UTC 版)
あおりの種類ごとに、操作の方向によって以下のように分類されるとともに、レンズボード側での操作には「フロント」、フィルムバック側での操作には「リア」をつけて呼ぶ。 光軸をずらす操作(操作量を表す単位はmm)ライズ(上へずらす:レンズボード側では感光面に対して光軸を上に、フィルムバック側では光軸に対して感光面を下に。以下同) フォール(下へずらす) 右シフト(右へずらす) 左シフト(左へずらす) 通常撮影される画像はイメージサークルの中央に固定されているが、光軸をずらす操作によってイメージサークル内の(あるいは、イメージサークルからはみ出した)任意の位置の画像を撮影できる。 光軸を傾ける操作(操作量を表す単位は度)右スイング(感光面に対して光軸を右に傾ける:被写体に向かって、レンズボード側では右端をフィルム側に移動、フィルムバック側では右端をレンズ側に移動。以下同) 左スイング(感光面に対して光軸を左に傾ける) 上ティルト(感光面に対して光軸を上に傾ける) 下ティルト(感光面に対して光軸を下に傾ける) 通常撮影では感光面と被写体のフォーカス面が平行であるが、光軸を傾ける操作によって感光面と平行でない任意の傾きにフォーカス面を移動させられる。 ビューカメラではレンズボード側・フィルムバック側の各々で独立して上記の操作を行え、かつ複数の操作を自由に組み合わせて行える。フロント・フォール機能のないフィールドカメラでも、レンズとフィルムが平行になるように両方をティルトさせることで、フロント・フォールと同じ効果を得られる。単独の操作では例えばレンズボード側の10mmライズとフィルムバック側の10mmフォールは(写る範囲が多少異なるが)同じ効果が得られる。しかし操作の組み合わせによっては、レンズボード側で行うかフィルムバック側で行うかで効果が異なる。 シフトレンズでは基本的に光軸をずらす操作のみが可能であり、一部に光軸を傾ける操作が可能なものがある(TSレンズ、TS-Eレンズ、PC-Eレンズ)。レンズの鏡筒がマウントに対して回転可能になっており、シフト操作と言いつつライズ・フォールや斜め方向に光軸をずらすことができる。ただし、光軸を傾ける機能が付いたレンズでは、通常は光軸をずらす方向と直交する方向にしか光軸を傾けられないため、ビューカメラと比較して操作の自由度は制限される。また絞りを機械的に操作するマウントのレンズでは連動機構を構成するのが難しく、AE撮影には対応していない。
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