『心理学の基礎批判』
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「ジョルジュ・ポリツェル」の記事における「『心理学の基礎批判』」の解説
代表作『心理学の基礎批判』(邦題『精神分析の終焉 - フロイトの夢理論批判』)の執筆を始めたのは、シェルブールのリセに勤務していたときであり、1928年に刊行された。本書では、フロイトの精神分析を除いて、従来の心理学が抽象的な心理学、「三人称の心理学」であることを批判し、「具体的心理学」、「一人称の主体《私(je)》の心理学」を提唱し、同時にまた、フロイトの精神分析についても、無意識の概念を批判し、これに代わる人間個人の「ドラマ(drame)」という概念によって主観的心理学と客観的心理学の統合を試みた。本書はフロイトの精神分析の紹介であると同時に、これを哲学的な観点から批判的に読み直す作業として、後の「実存主義的・現象学的傾向をもつ哲学・心理学・精神医学」、とりわけ、アルチュセール、ラカンらに影響を与えることになった。また、ポリツェルの没後まもなく、彼の研究の再評価を開始したのもラカンとメルロー・ポンティであった。
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