『ドライブ・マイ・カー』の成功
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「濱口竜介」の記事における「『ドライブ・マイ・カー』の成功」の解説
前作『寝ても覚めても』のあと濱口はいくつかの作品製作を進めてきたが、コロナ禍によって製作スケジュールが大きく狂い、2021年に2つの作品が同時公開される。しかしこれが結果として濱口への国際的な注目を一気に高めることとなった。 まず3月には『偶然と想像』が第71回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品され、審査員グランプリにあたる銀熊賞を受賞。 続いて7月には、村上春樹の短編小説をもとにした『ドライブ・マイ・カー』が第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、大江崇允と共に日本映画としては史上初となる脚本賞受賞を果たす。 またアメリカでは、ニューヨーク映画批評家協会賞が同年の作品賞を『ドライブ・マイ・カー』に授与。同賞は過去に「外国語映画」部門で黒澤明らが受賞したことがあるが、「作品賞」としてはアジア映画初の受賞となり、アメリカ国内でも驚きを持って受けとめられた。さらにその後、同作は全米映画批評家協会賞やボストン、ロサンゼルスの批評家協会賞、ゴールデングローブ賞など、アメリカの重要な映画賞を相次いで受賞する(後段の「主な受賞」節を参照)。日本映画のゴールデングローブ賞受賞は62年ぶりだった。 2022年の第94回アカデミー賞では、作品賞・監督賞・脚色賞・国際長編映画賞(旧外国映画賞)の4部門にノミネートされ、国際長編映画賞を受賞した。作品賞と脚色賞でのノミネートは日本映画初。監督賞は36年ぶりで、『砂の女』の勅使河原宏監督(第38回)、『乱』の黒澤明監督(第58回)に続き3人目となった。 これらの世界的な注目の高まりを受け、2022年2月に開催されたベルリン国際映画祭では、国際審査員団の一人に抜擢されている。
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