『イーリアス』以前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 08:54 UTC 版)
テティスは、アキレウスがトロイア戦争に加わると命を落とすことを予言し、アキレウスをスキューロス島に送り女の格好をさせておいた。アキレウスはここで、スキューロス王リュコメーデースの娘デーイダメイアとの間にネオプトレモスをもうけた。そこに、商人のなりをしたオデュッセウスが勧誘に来た。彼は女向けの商品の中に武器をまぜて展示した。女たちが見向きもしない中、アキレウスだけが武器に手を出したため、彼は正体をあばかれてトロイア戦争に引きずり出された。 トロイア遠征のために集結したギリシア軍であったが、逆風のためアナトリアへ渡れなくなってしまった。そこで総大将アガメムノーンが神託を求めたところ、娘イーピゲネイアを女神アルテミスに生贄として捧げれば解決するとの予言を賜る。アガメムノーンは苦悩したものの、結局家族への愛情よりも名誉欲と大将としての責任を優先させ、イーピゲネイアをアキレウスとの縁談を名目に呼び寄せた。このことはアキレウスにはまったく知らされておらず、イーピゲネイアについてきた彼女の母クリュタイムネーストラーが挨拶に来たために初めて知ることになった。 勝手に名前を使われたアキレウスはアガメムノーンに憤ると同時に騙されて生贄にされかけているイーピゲネイアに同情し、クリュタイムネーストラーと共に必死の助命運動を行った。しかし二人の嘆願も空しくイーピゲネイアは生贄となったため、両人はアガメムノーンに深い遺恨を抱くにいたった。
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