『アーリヤシッダーンタ』
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「アーリヤバタ」の記事における「『アーリヤシッダーンタ』」の解説
6世紀のヴァラーハミヒラなど多くの天文学者の著書から『アーリヤシッダーンタ』という天文書が存在したことが確実視される。ただし、現代には伝わっておらず、正確な内容は不明である。題名はアーリヤバタの天文学(シッダーンタ)を意味する。『アーリヤシッダーンタ』は7世紀の北インドで最高の流行をもたらした。アーリヤバタの批判者、ブラフマグプタは、これを非難する意図を込めて、「甘美な砂糖で調理した食物」を意味する『カンダ・カーディヤカ』という題名で『アーリヤシッダーンタ』の要約版をつくるほどであった。 K. V. サルマー(英語版)によると、『アーリヤシッダーンタ』は、アーンドラ・プラデーシュ州、インドの北西部からイランにかけての地域、そしてアッバース朝の宮廷に伝わった。『カンダ・カーディヤカ』はアラビア語に訳されるとき『アル=カンド』という書名になって、イスラーム世界で天文計算の簡便な手引書として広く用いられた。インドに10年間滞在してインドの科学技術をイスラーム世界に伝えたペルシアの学者ビールーニーも『カンダ・カーディヤカ』を改訳した。
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