「唯一の仮説」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/09 18:36 UTC 版)
本理論において仮説として提示するのは、ただ1つ「a'系の弾性率の低下」のみであるが、換言すれば、これ以外の何らかの障害や変様を議論の前提にする必要はない、ということである。 人格について安永は、「分裂病の根本障害は、最高精神、人格の座にあるのではない。抹消とまでは言わないまでも、脳機能のある中間節の機能障害、ということで説明される。逆に言えば、分裂病者の人格は、(二次的変様をこうむることはあるとしても、) 本来は無傷である!」とする。同様に、「この病は人格欠陥によるものでもなく、神秘的な病なのでもなく、むしろ十分有り得る普通の病気、という見方が可能になる」とも言う。 また図式については、「図式自体の変状は、直接には想定しないでよい」とする。一見すると図式の崩壊のように見える、いわゆる思考障害は、思考のファントム空間によってその諸特徴を説明し得る。仮に図式だけが損傷されると「失行、失認、その他いわゆる巣症状が生じる」とする。
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