「ン」の発音
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 16:20 UTC 版)
日本語の「ン」は逆行同化により、後続音が口の声道を完全に閉鎖する子音(閉鎖音、鼻音)の場合は、販売→ハンバイ、案内→アンナイ、関連→カンレン(この場合の「レ」は舌の先から側面まで上あごに密着して発音する)、関係→カンケイ、建議→ケンギに見られるように、後続音の調音部位に従って [m], [n] [ŋ], [ɴ] などの鼻音になる。後続音が側音の場合には、関連→カンレン(この場合の「レ」は舌先を軽く上あごにつけて発音する)のように、鼻音化した側音になる。また、後続音が摩擦音、はじき音、半母音または母音である場合には、撥音は同様に逆行同化して、観察→カンサツ、関連→カンレン(この場合の「レ」ははじき音に発音する)、緩和→カンワ、恋愛→レンアイのように、後続音と同じ調音部位の鼻音化した母音、即ち鼻母音になる。なお、この鼻母音は、通常の「ン」が鼻音、即ち子音であるため、子音の一種、即ち鼻音化した半母音と誤解されやすいが、上記の「狭めによる調音」の半母音の定義に従えば子音の範疇には含まれず、母音の一種の鼻母音である。むしろ、撥音が逆行同化した鼻母音になると同時に、後続の子音または半母音は進行同化 (progressive assimilation) して鼻音化されるが、それと同様に、後続音が母音である場合には、その母音の音頭でその調音位置の上下の間隔が狭められると同時に鼻音化して、恋愛→レン・ンアイ、田園→デン・ンィエンなどのように、母音の前にその母音に逆行同化する鼻音化した半母音が付加(挿入)されることもある。
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