狭めによる調音
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 16:20 UTC 版)
舌先を上顎部につけて口の声道の中央部のみを閉鎖し、舌の両側を開放して出す音は側音、狭めた口腔内や咽頭部、喉頭部、声門を息が通る時の摩擦の音を伴う音は摩擦音および側面摩擦音である。いわゆる「声」は声帯の振動音であって、声門摩擦音ではない。 鼻の声道の閉鎖の有無を問わず、部分的にも瞬間的にも一切口の声道の閉鎖を伴わず、口腔内の上下の調音器官の間隔は狭いが摩擦音を伴わない有声音は接近音である。ある程度以上に持続する接近音は狭母音である。鼻の声道の閉鎖の有無を問わず、部分的にも瞬間的にも一切口の声道の閉鎖を伴わず、口腔内の上下の調音器官の間隔が狭母音より広くて摩擦音を伴わない有声音と狭母音を合わせて母音という。 ごく短い接近音に母音が続く場合、接近音の構えから後ろの母音に至るときに、瞬間的に発せられる接近音の部分は子音として認識され、これを半母音という。持続部がなく移行していく部分が重要なのでわたり音とも呼ばれる。言語によっては母音の後にごく短く発音される特定の接近音も、この範疇に含める。 英語の work の/r/のように持続部があり、狭めがやや広く摩擦が起こらず調音される無摩擦継続音も、また、race の /r/ のように持続部がなく、すぐに後ろの母音に移っていく無摩擦音も共に接近音である。子音の定義を統一的な定義とするならば、接近音はその持続部は母音で、その後に別の母音が続く場合、その移行する瞬間の部分が子音として認識されるといえる。
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