“凶暴”なラクトバシラス属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 14:03 UTC 版)
「マロラクティック発酵」の記事における「“凶暴”なラクトバシラス属」の解説
20世紀後半、アメリカの醸造家は、問題なく発酵が進んでいるように見えるのに、突如として高濃度の酢酸が発生し酵母を打ち負かして発酵が止まってしまう現象に見舞われた。当初は新種のアセトバクタ―や酵母が原因であると疑われたが、最終的にはL. kunkeei、L. nagelii、L. hilgardiiといったラクトバシラス属の菌種が原因であると突き止められた。これらは旺盛な酢酸生成能と増殖の速さ、そして二酸化硫黄への耐性が高く他の微生物学的なコントロールも難しいことから、まとめて“凶暴(ferocious)”なラクトバシラス属と渾名される。 酵母の植え付けが始まる前の低温での浸漬中や、破砕時に二酸化硫黄をわずかしか、あるいはまったく加えられていないなどにより、pHが3.5を超えた状態で醸造が行われる場合は、この凶暴なラクトバシラスによる汚染のリスクが極めて高い。この汚染は畑ごとに発生していると思われるものの、現在のところでは収穫直後のブドウの果実の表面には原因となるようなラクトバシラス属が検出されてはいない。
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