(-)-アノナインとは? わかりやすく解説

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(−)‐アノナイン

分子式C17H15NO2
その他の名称アノナイン、Anonaine(R)-6,7,7a,8-Tetrahydro-5H-benzo[g]-1,3-benzodioxolo[6,5,4-de]quinoline(-)-アノナイン、(-)-Anonaine、[7aR,(-)]-6,7,7a,8-Tetrahydro-5H-benzo[g]-1,3-benzodioxolo[6,5,4-de]quinoline
体系名:[7aR,(-)]-6,7,7a,8-テトラヒドロ-5H-ベンゾ[g]-1,3-ベンゾジオキソロ[6,5,4-de]キノリン(R)-6,7,7a,8-テトラヒドロ-5H-ベンゾ[g]-1,3-ベンゾジオキソロ[6,5,4-de]キノリン


(−)‐アノナイン

分子式C17H15NO2
その他の名称(S)-6,7,7a,8-Tetrahydro-5H-benzo[g]-1,3-benzodioxolo[6,5,4-de]quinoline、(6aS)-1,2-(Methylenebisoxy)-5,6,6a,7-tetrahydro-4H-dibenzo[de,g]quinoline、(+)-1,2-Methylenedioxy-5,6,6aα,7-tetrahydro-4H-dibenzo[de,g]quinoline(-)-アノナイン
体系名:(S)-6,7,7a,8-テトラヒドロ-5H-ベンゾ[g]-1,3-ベンゾジオキソロ[6,5,4-de]キノリン、(6aS)-1,2-(メチレンビスオキシ)-5,6,6a,7-テトラヒドロ-4H-ジベンゾ[de,g]キノリン、(+)-1,2-メチレンジオキシ-5,6,6aα,7-テトラヒドロ-4H-ジベンゾ[de,g]キノリン


アノナイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/13 04:36 UTC 版)

アノナイン
識別情報
CAS登録番号 1862-41-5 (R)-(-)-Anonaine, 7241-00-1 (±)-Anonaine
PubChem 160597
ChemSpider 141120
特性
化学式 C17H15NO2
モル質量 265.31 g mol−1
融点

122-123 oC

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アノナイン(Anonaine)は、生理活性のあるベンジルイソキノリンアルカロイドである。モクレン科バンレイシ科の植物に含まれ[1]、初めて抽出されたギュウシンリ(Annona reticulata)の名前に由来して名付けられた[2]

バンレイシ科からの抽出

このアルカロイドは、ギュウシンリの樹皮から最初に単離された。その後、バンレイシMagnolia × albaの葉、Fissistigma latifoliumGoniothalamus australis、その他多くの種で見つかっている[1]。この化合物はギュウシンリの幹を乾燥焙煎し、メタノールで抽出することにより得られる。メタノールを除去し、残った液体を塩酸で処理し、不溶成分を濾し取る。ろ過された液体を水酸化アンモニウムで塩基性にし、ジエチルエーテルで抽出する。抽出物を5%水酸化ナトリウムと一緒に撹拌し、有機層を保持して抽出物のフェノール成分を除去する。塩酸と混ぜ、ジエチルエーテルから再結晶することで、塩酸塩が得られ、その後遊離塩基が得られる[2]。ギュウシンリ中のアノナイン成分は、出発原料である乾燥樹皮の重量の約0.12%である[3]

医療への利用

伝統医療

アノナインはバンレイシ科の多くの植物に存在し、長年の間、伝統医療に用いられてきた。例えば、バンレイシの抽出物は、てんかん赤痢、心臓障害、寄生虫感染症、便秘、細菌感染症、発熱と潰瘍等の治療に用いられてきた。しかし、バンレイシはこれら多くの病気の治療には効果がないようである[4]。アノナインの生理活性の研究により、抗腫瘍、血管弛緩、抗酸化、抗寄生虫、抗菌等の様々な興味深い薬理作用が明らかとなり、中枢神経系にも影響を及ぼすことが分かった[1]

抗腫瘍活性

アノナインは、ヒトの子宮頸癌[5]肺癌腫H1299細胞[6]の成長を阻害することが知られている。アノナインがこれらの細胞においてアポトーシスを起こすメカニズムは、一酸化窒素と活性酸素種の生成、細胞内のグルタチオン濃度の減少、カスパーゼやアポトーシス関連タンパク質の活性化、DNAの損傷等いくつか考えられている。

関連項目

出典

  1. ^ a b c Li, HT; Wu, HM; Chen, HL; Liu, CM; Chen, CY (2013). “The pharmacological activities of (-)-anonaine”. Molecules (Basel, Switzerland) 18 (7): 8257-63. doi:10.3390/molecules18078257. PMID 23857128. 
  2. ^ a b Santos, A. C. (1930). “Alkaloid from Anona reticulata L.”. Philipine Journal of Science 43 (4): 561-564. 
  3. ^ Barger, G.; Weitnauer, G. (1939). “Konstitution und Synthese des Alkaloids Anonain” (German). Helvetica Chimica Acta 22 (1): 1036-1047. doi:10.1002/hlca.193902201131. 
  4. ^ Srivastava, S.; Lal, V. K.; Pant, K. K.; Journal of Pharmacy Research, 2011, 4, 12, 4596-4598
  5. ^ Chen, Chung-Yi; Liu, Tsan-Zon; Tseng, Wei-Chang; Lu, Fung-Jou; Hung, Ray-Ping; Chen, Chi-Hung; Chen, Ching-Hsein (August 2008). “(-)-Anonaine induces apoptosis through Bax- and caspase-dependent pathways in human cervical cancer (HeLa) cells”. Food and Chemical Toxicology 46 (8): 2694-2702. doi:10.1016/j.fct.2008.04.024. 
  6. ^ Chen, Bing-Hung; Chang, Hsueh-Wei; Huang, Hsuan-Min; Chong, Inn-Wen; Chen, Jia-Shing; Chen, Chung-Yi; Wang, Hui-Min (23 March 2011). “(-)-Anonaine Induces DNA Damage and Inhibits Growth and Migration of Human Lung Carcinoma H1299 Cells”. Journal of Agricultural and Food Chemistry 59 (6): 2284-2290. doi:10.1021/jf103488j. PMID 21361287. 


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