CardWirth
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/13 15:18 UTC 版)
ユーザーとコミュニティ
かつてCardWirthのユーザーは公式サイトを中心に一大コミュニティを形成していたが、ある時期を境にこの図式は徐々に崩壊していくこととなった。 その後は大手掲示板の創作系スレッドやいくつかのユーザーズサイトやmixiといったSNSサイトなどに分散する形で小規模なコミュニティが形成されていき、そうしたコミュニティに合流できていないユーザー同士の繋がりは一時期かなり希薄になり、それがコミュニティ全体の弱体化につながっている部分もあった。 今日ではTwitterによって既存ユーザー・新規ユーザーの区別なくつながりが生まれていくという新たなコミュニティのスタイルが形成されつつある。
ユーザー
シナリオ作者
CardWirth用のシナリオエディタは非常に扱いやすいため、操作方法の習熟にそれほどの時間を要しない。そのため、シナリオ(ストーリー)のアイデアさえ持っていれば、誰にでも簡単にシナリオを作ることができる。 そうしたこともあって、CardWirthコミュニティには非常に多くのシナリオ作者が存在し、また彼らの創作したシナリオの数は実に1000を超えるとされる。(現在は入手できなくなっているものも多く存在し、また最新の資料も存在しないため正確な数は不明)
リソース作者(画像)
CardWirthで使用する画像は、主に画面(シナリオの場面)の背景となる写真やCGといったJPEG画像、そして本作品において最も重要な要素となる「カード」の絵柄として使用される74*94ピクセルのBMPあるいはPNG画像とがある。 背景画像については一般的なリソースがそのまま流用可能であるが、カード画像として使用する画像はサイズが特殊な大きさのため、基本的に専用の素材が必要となる。もっともカード画像についてはgroupAskをはじめ、古くから大勢のユーザーが多数提供してきたために不足はない。
カード画像は当初BMP形式しか使えず、また初期の頃はインターネットを取り巻く通信環境が脆弱だったこともあって、容量の関係から16色形式のドット絵が主流で、多くのドッター(ドット絵の作者)達がその技術を発揮した。 その後ネットワークもブロードバンド化が進み、容量を気にする必要もなくなってきたことから、フルカラーのイラストを256色形式に減色したリソースを提供する作者が増えた。 今ではエンジンの機能向上によりPNG形式にも対応し、容量を抑えながらフルカラーや半透明といったカード画像も使用可能になった。
一方背景画像を提供する作者も少なくなく、そういった中でクォータービュー形式の画像を張り合わせて背景を作り出す「Qubes」という独自の規格も考案されたりした。(Qubesについては普及こそしなかったが、groupAskがCardWirthEditorでこの規格をサポートしている)
リソース作者(音響)
CardWirthで使用する音は、BGMと効果音とに分かれる。 当初のシステムではBGMではMIDIが、効果音ではWAVが用いられていたが、エンジンの機能向上とともにサウンドフォントの組込が可能となったり、利用可能なデータ形式としてMP3が加わるなど環境は大きく様変わりした。
効果音の制作は技術を要することもあってCardWirthコミュニティからはあまり提供されていないが、BGMに使われるMIDIについてはかつてそれなりの数の作者が存在していた。 CardWirthコミュニティを中心に活動していたMIDIファイルの作者に共通して見られた傾向として、オリジナリティの高い楽曲を数多く提供していたという特色があった。 当時はMIDIの作者によるコミュニティが形成されるほどの盛り上がりも見せたが、DTMの中心がMIDIからMP3に移行するという世間の流れもあり、現在はそうした活動はほとんど見られなくなってきている。
プレイヤー
ここでいうプレイヤーとは、シナリオやリソースなどの創作活動そのものを行ってはいないもののCardWirthに関与することで得た自らの見識を何らかの形式で他者に提供する、あるいは何らかのコミュニティ活動に参画し、他のユーザーに影響力を与えている存在のことを指す。
冒頭で触れたようにCardWirthは作者とユーザーが多対多で存在するコミュニティのため、こうした存在が創作活動を行っている層の下支えとなることも多い。
コミュニティ
一般的なコミュニティ
CardWirthのユーザーであれば誰でも参加でき、また利用することが可能なユーザー同士の集まり、あるいはその場所。 参加資格に特に制限のない企画サイトなどもこれに含まれる。
シナリオ作者のために設けられた「CardWirth ScenarioWriter's Community」(通称「しなさくコム」)、CardWirthに関するイラストを楽しもうという目的で設けられた「Card Illustrations Board」(通称「イラボ」)など、かつてその多くは何らかの目的別に設けられていた。
閉塞的なコミュニティ
一般的なコミュニティに対し、一部の関係者だけが集い、それにより形成されるコミュニティ。 もっとも、これらのコミュニティであっても何らかの対外的な措置(例えばパスワードがなければ閲覧できないなどの制限)が設けられていることはほとんどなく、結果として閉塞的になっているだけのことが多い。こうした集まりはどこにでも存在し、またその規模・趣旨・目的といったものが千差万別であり、さらにはその性質上統計などもなく、はっきりとしたことは言えない。
たとえ実際は門戸の開かれたコミュニティであったとしても、何も知らないユーザーがこれらのコミュニティに新たに加わることは容易ではない。 ただし関係者しか集まらないということもあってか、一部の集まりではCardWirthコミュニティ全体の現状からでは想像できないほどの勢いを持っている。 代表的なものとしてはmixiのCardWirth関連のコミュニティ、あるいは2ちゃんねるの一部のスレッドなど。
ただ、公式側の開発の停滞などから閉塞的なコミュニティで開発された技術が、(コミュニティの存在を伏せた形で)一般的なコミュニティに紹介されるなどの動きも出ている。
Twitterでは特にコミュニティの存在・形成を意識することなく、ユーザーがCardWirthに関わる発言を行う、あるいは周囲の発言を拾う事によって自然とつながりが生まれていく。 こうしたことから、近年はTwitterからCardWirthコミュニティあるいはCardWirthそのものに触れるユーザーが増えてきている。
Twitterでは情報の即応性や拡散力はきわめて高いものの、半面まとまった情報が得にくく簡単に埋没してしまうという特徴があるため、ユーザー同士のつながりは容易に形成できるようなったが継続的な情報共有はこれまで以上に困難なものとなってしまっている。
- ^ a b (参考資料:ファンサイト「CardWirth Anthology」のコンテンツ「CWエッセイ」第8回・第43回・第44回)
- ^ (出典:CWエッセイ第8回「~カードワースの夜明け~」)
- ^ (出展:「CardWirth Users'Network」1999年7月24日7時48分のアムリタの発言)
- ^ (出典:「CardWirthUsers'Network」2001年3月9日7時17分のmishikaの発言)
- ^ 2013年までの文献に留められていることに留意
- ^ (210本中131本・・・出展:「CardWirthUsers'Network」2000年4月26日18時57分のTELぅぇぃの発言)
- ^ (参考資料:「CardWirthUsers'Network」2000年5月12日 19時25分「6132」番)
- ^ (参考資料:「CardWirth Users'Network」2000年9月2日 1時12分「7854」番)
固有名詞の分類
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