真理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/25 17:12 UTC 版)
真理論の現在と未来
真理論は、相対主義的な見方に反論する形で、神の視点からする永遠・普遍の真理の概念が生まれたが、近代認識論の成立により真理を人間の知性の内部に求める主観主義が生まれ、様々なヴァリエーションに分岐した。科学の飛躍的な発展に伴い、永遠・普遍の宗教的真理概念に代わって、客観的な科学的真理概念が生まれたことにより、現代の真理概念は様々な形で修正を受け、暫定的な真理という意味での相対的な傾向を強めているが、それでもなお相対主義に陥らない努力が続けられている。そのような状況において古典的な対応説が見直され、実在論と結びついた形で新たな対応説が復権を遂げているものの、観念論を現代的に修正した反実在論も有力であり、議論は収束する気配を見せてはいない。
出典
参考文献
- 加藤信朗「真理」(Yahoo!百科事典)
- プラトン著『国家』上・下、藤沢令夫訳、岩波書店〈岩波文庫〉、2008
- プラトン著『パイドン』、岩田靖夫訳、岩波書店〈岩波文庫〉、1998
- プラトン著『テアイテトス』、渡辺邦夫訳、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2004 ISBN 4480088180
- アリストテレス著『形而上学』全2巻出隆訳、岩波書店〈岩波文庫〉、1959 ISBN 4003360435
- 稲垣良典、『トマス・アクィナス』、講談社学術文庫、1999(初出は『トマス・アクィナス. 人類の知的遺産20巻』、講談社、1979)
- ヘーゲル著『論理学 哲学の集大成・要綱 第1部』長谷川宏訳、作品社、2002
- ヘーゲル著『自然哲学 哲学の集大成・要綱 第2部』長谷川宏訳、作品社、2005
- ヘーゲル著『精神哲学 哲学の集大成・要綱 第3部』長谷川宏訳、作品社、2006
- ジェームズ『プラグマティズム』桝田啓三郎訳、岩波書店〈岩波文庫〉、1957 ISBN 4003364015
- 中岡成文『ハーバーマス‐コミュニケーション行為‐現代思想の冒険者たち27』講談社、1996年
- マルティン・ハイデッガー著『存在と時間』細谷貞雄訳、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉全2巻、1994 ISBN 4480081372
関連文献
- チェイス・レン 著, 野上志学 訳, 一ノ瀬正樹 解説『現代哲学のキーコンセプト 真理』岩波書店、2019年、ISBN 9784000613743
関連項目
- 認識論・存在論
- 論理的真理
- 二重真理
- 独断主義・基礎付け主義・可謬主義・懐疑主義・反基礎付け主義
- 無限後退 - 循環論法 - ナマの事実
- ミュンヒハウゼンのトリレンマ
- 自己言及のパラドックス
- デュエム-クワイン・テーゼ
- 真実らしさ
真理 (著作)
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