白酒 (中国酒)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/10 09:14 UTC 版)
製法
白酒の製法は、産地によって異なる。原料とする穀物に何を用いるかと、麹(こうじ)を何からどう造るかなどによる。典型的な製法は下記のとおり[4]。
- まず麹を造る。大麦や小麦、エンドウなどを砕いたものに水を入れて混ぜ、レンガの形に整え暖かい部屋に放置して、クモノスカビや酵母、乳酸菌などを繁殖させ、“麯”(qū、チュイ。簡体字では“曲”と書く。“麹”の異体字)と呼ばれる餅麹(もちこうじ)を造る。
- 蒸したコーリャンに麯を混ぜ、地面に掘った「発酵窖」と呼ばれる穴の中に入れて土をかぶせ、土の中で発酵させる(仕込む)。[麯のような餅麹は、日本酒の製造に用いるコウジカビが純粋培養された撒麹(ばらこうじ)とは異なり、糖化だけでなくアルコール発酵を行う微生物(酵母)も含んでいる。また、発酵窖には酵母などの有益な微生物が多数繁殖している(特に、長い年月を経た発酵窖(老窖)は珍重される)。したがって、このままの固体の状態のままでアルコールを含んだもろみとなる。]
- 数週間後に仕込んだ材料を掘り出し、蒸気を通しやすくする籾殻や落花生の殻を混ぜて蒸留する。これと同時に、材料の高粱も同じ甑で蒸される。
- 蒸留し終えた原料に再び麯を混ぜ、仕込みを数回繰り返す。
- 蒸留によって集められた液体は、瓶に入れられて長期間熟成される。
こうして造られた白酒はアルコール度数が50%以上あって強いことが特徴的である。
なお、蒸留後の粕は豚の飼料となり、豚の糞尿は原料の穀物を育てる肥料となる。このような循環は、小泉武夫[5]によって指摘されたことから『固体発酵における小泉の循環説』と呼ばれ、固体発酵という発酵法の根拠の説明として知られている。
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