戦艦ポチョムキン フィルムの散逸と復元

戦艦ポチョムキン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/08 07:51 UTC 版)

フィルムの散逸と復元

本作のオリジナル・ネガは、スターリン時代に政治的理由でカットされており、海外で公開された版も多くのシーンがカットされたため、完全なオリジナルは散逸してしまった。

1976年、ソ連映画関係者の努力により世界中に散らばったポジ・プリントから復元版が再構成された。この版はショスタコーヴィチの交響曲からとった音楽がつけられたため、通称「ショスタコーヴィチ版」と呼ばれる。しかし、その後ドイツの作曲家エドムント・マイゼルがドイツ公開(1926年)の際に作曲したスコアが発見され、もともとマイゼルへの作曲依頼者がソビエト側であることや、エイゼンシュテイン本人も伴奏音楽として優れていると認めていたことから、こちらの版の復元が進み、2005年には元ミュンヘン映画博物館館長エンノ・パタラスの指揮によりこの「マイゼル版」の復元版が完成した。復元マイゼル版では、当時のドイツ公開版にならい、戦艦のマストに掲げられた旗が手彩色作業により赤旗になっている。

オデッサの階段

オデッサの階段の虐殺
階段シーンの撮影現場(オデッサ)

この映画で最も印象的とされるのは「オデッサの階段」といわれる約6分間の場面で、「映画史上最も有名な6分間」といわれる。特に撃たれた母親の手を離れた乳母車が階段を落ちていくシーンは、ブライアン・デ・パルマ監督の『アンタッチャブル』などの映画でも引用されている。だが史実によると「オデッサの階段での虐殺事件」というものは存在しない。

階段シーンのオマージュ、パロディがある映画など

評価

ランキング

  • 「映画史上最高の作品ベストテン」(英国映画協会『Sight&Sound』誌発表)※10年毎に選出
    • 1952年:「映画批評家が選ぶベストテン」第4位
    • 1962年:「映画批評家が選ぶベストテン」第6位
    • 1972年:「映画批評家が選ぶベストテン」第3位
    • 1982年:「映画批評家が選ぶベストテン」第6位
    • 1992年:「映画批評家が選ぶベストテン」第6位
    • 1992年:「映画監督が選ぶベストテン」第14位
    • 2002年:「映画批評家が選ぶベストテン」第7位
    • 2002年:「映画監督が選ぶベストテン」第31位
    • 2012年:「映画批評家が選ぶベストテン」第11位
    • 2012年:「映画監督が選ぶベストテン」第75位
  • 1958年:「世界映画史上の傑作12選」(ブリュッセル万国博覧会発表)第1位
  • 2000年:「20世紀の映画リスト」(米『ヴィレッジ・ヴォイス』紙発表)第79位
  • 2008年:「史上最高の映画100本」(仏『カイエ・デュ・シネマ』誌発表)第36位
  • 2010年:「史上最高の外国語映画100本」(英『エンパイア』誌発表)第3位
  • 2010年:「エッセンシャル100」(トロント国際映画祭発表)第13位

以下は日本でのランキング

  • 1980年:「外国映画史上ベストテン(キネ旬戦後復刊800号記念)」(キネマ旬報発表)第12位
  • 1988年:「大アンケートによる洋画ベスト150」(文藝春秋発表)第10位
  • 1989年:「外国映画史上ベストテン(キネ旬戦後復刊1000号記念)」(キネ旬発表)第19位
  • 1995年:「オールタイムベストテン・世界映画編」(キネ旬発表)第6位
  • 1999年:「映画人が選ぶオールタイムベスト100・外国映画編(キネ旬創刊80周年記念)」(キネ旬発表)第18位



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