岩手県北自動車
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Jリーグ関連輸送
Jリーグ関連では、J3リーグのいわてグルージャ盛岡のスポンサー(「岩手県北観光」名義でユニホームの袖スポンサーも務める)であり、2014年6月から盛岡地区の各路線でグルージャ盛岡ラッピングバスの運行を開始した。試合開催日には盛岡駅西口 - 盛岡南公園球技場(E42系統)に優先充当される[148]。
また2015年に開設された仙台宮城営業所では、仙台セントラルバスよりJ1リーグのベガルタ仙台選手専用車の運行を引き継ぎ、ベガルタ仙台の選手輸送を行っている[44]。
車両
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導入メーカー
かつては日野製とUDトラックス(旧:日産ディーゼル)製が主体で[149]、車両の導入は自社発注車両のみであった[149]が、みちのりホールディングスの傘下に入ってから「平均車齢を若返らせる方が経営上メリットが大きい」との観点から[149]、新車導入だけではなく移籍車の導入も開始された[149]。これに伴い、1950年代にボンネットバスを導入して以来[150] 導入実績のなかった三菱ふそう製の車両導入を再開しており、「BEAM-1」専用車として新型三菱ふそう・エアロクィーンが導入された[149]。中古車では東急バスから三菱ふそう・エアロスターノンステップバス[149]、同じくみちのりホールディングスの傘下に入った福島交通から三菱ふそう・エアロバス[149]、京王電鉄バスから日産ディーゼル・スペースランナーJP[151] の中古車が移籍している。そのため現在は岩手県交通と同様に国内4メーカーの車両を使用している[151]。
路線車
路線バス車両は1980年頃からエアサス装備の前扉車(トップドア車)に統一されてきた[152] が、1993年頃から前中扉の車両も導入されている[152]。2011年にはノンステップバスとしては初の新車として日野・レインボーIIが導入された。
また、2011年には大阪市交通局から東日本大震災の復興支援活動として路線バス車両が無償譲渡された。この車両は譲渡前に釜石市への支援輸送を行った後、大阪市現地災害対策本部として現地(釜石市)に留め置かれていた[153]もので、重茂車庫に配属され、2015年には貨客混載バスに改造されて使用されている。
路線バスにおけるベビーカー乗車は、ベビーカーマークが貼付された車両や106急行バスで利用できる。
高速車
高速車(「106急行」の車両を含む)は、一時期は赤色三本帯の上に水色の帯が追加されていたが、現在は一般路線バスと同様の赤色三本帯に戻されている[151]。
2018年には、三菱ふそう・エアロエースの1台が標準色から「みちのりエクスプレス (MEX)」デザインへ塗装変更された[154]。デザインはえちごトキめき鉄道「えちごトキめきリゾート雪月花」などを手がけた川西康之が担当し、シャンパンゴールドを基調に、みちのりオレンジでエントランスを包み込んだものとなっている。本デザインは後に茨城交通や日立電鉄交通サービスでも導入されている[55][155][156]。「みちのりエクスプレス (MEX)」デザイン車の社名表示は、本社所属車両・南部支社所属車両共通で「岩手県北バス・Northern Iwate Transportation」の表記であるが、スカニア・アストロメガのみ、社章と岩手県北バスの組み合わせ表記となっている[58]。
貸切車
エリア内に観光地が多いため貸切車の台数は比較的多く、1993年時点では「北東北随一の規模」と雑誌で紹介されていた[152]。2008年頃までは2階建バスの日野・グランビューも在籍していた[157]。また、2010年に観光バス部門を廃業した都自動車からいすゞ・ガーラ、日産ディーゼル・スペースアローが中古車として移籍している。
仙台宮城営業所の貸切車のカラーリングは、岩手県内の営業所所属の貸切車のカラーリングとは若干異なり、当初は側面の「Exper」ロゴからみちのりホールディングスのロゴに変更しているほか、社名表示も「IWATE KENPOKUBUS」「岩手県北観光」から「MICHINORI GROUP」へ変更されていた[4]。みちのりバス東北へのブランド変更後は、南部支社貸切部の車両ともども、側面の「Exper」ロゴからみちのりバス東北独自のロゴへ、社名表示も「IWATE KENPOKUBUS」「岩手県北観光」から「MICHINORI BUS TOHOKU」「みちのりバス東北」へ変更されている[80]。
また、冬季積雪時の八幡平地区の運行に備え、四輪駆動の1968年式ボンネットバス「八幡平号」(TSD40改)が1台在籍しているのも特徴である[158]。同車両は冬季以外は盛岡市内の定期観光バスや他地区でのイベント用に使用されることもある[146]。
ナンバープレート
2014年11月17日からはご当地ナンバーの「盛岡」ナンバー導入に伴い、盛岡営業所・盛岡南営業所・八幡平営業所への新車、他事業者からの譲受車、他営業所からの転入車は「盛岡」ナンバーで導入されている。なお、沼宮内支所が所在する岩手郡岩手町は「岩手」ナンバーエリアであるが、同支所に常駐する車両も所属は八幡平営業所であるため「盛岡」ナンバーとなる。「岩手」ナンバーエリアとなる沿岸地区・県北地区の各営業所では、新車および他事業者からの譲受車は従来通り岩手ナンバーでの導入となり、盛岡営業所・盛岡南営業所・八幡平営業所からの「盛岡」ナンバー転入車も「岩手」ナンバーで再登録される。仙台宮城営業所所属車両は当初、営業所が多賀城市に所在したため「宮城」ナンバーであったが、仙台市に移転したことにより「仙台」ナンバーに再登録されている。
岩手県北バスでは「社番」を付与しておらず、登録番号(ナンバープレートの数字)で車両を管理しているため、ナンバーエリアを跨いで転属した車両は、元のナンバーと同じ数字になるよう希望ナンバー制度により再登録している(初期に転属した一部車両を除く)。盛岡地区より一時的に南部支社へ貸し出された車両は貸出時に「八戸」ナンバー(払い出し)で再登録され、返却された際には貸出前に使用していた番号を希望ナンバーで再登録している。
南部支社の車両
-
一般路線バス(ワンステップ・宮古地区特別塗装)
日野・レインボーRJ
KK-RJ1JJHK -
一般路線バス(ノンステップ)
日野・レインボーII
PDG-KR234J2 -
みちのりエクスプレス(MEX)塗装(南部支社八戸営業所所属車両)
三菱ふそう・エアロバス -
観光貸切塗装「エクスパー」
日野・ブルーリボン
P-RU638BB -
観光貸切塗装(仙台宮城営業所所属車両)
日野・セレガ
PKG-RU1ESAA
盛岡営業所より転属したため、同じ番号を宮城ナンバーで再登録している。
船舶事業
みやこ浄土ヶ浜遊覧船
1955年、県北バスの営業エリアの大半が陸中海岸国立公園(現:三陸復興国立公園)として指定されたのを契機に、県北バスは観光輸送へ注力するようになった。
県北バスによる「みやこ浄土ヶ浜遊覧船」の事業は1962年(昭和37年)に始まり[30]、加えて宮古 - 田老 - 島の越 - 普代航路、山田 - 船越航路といった陸中海岸での船舶事業を展開した[34]。1969年にはウミネコの餌付けに成功、名物ともなる「ウミネコパン」がこの時に登場した[9]。
しかしその後、観光ニーズの多様化や団体客の減少によって[34]次第に利用が低迷するようになり、最盛期には10隻が運航されていたものが3隻まで減船された[30]。2011年の東日本大震災では「第15陸中丸」と「かもめ」が被災して廃船となり、同年7月から「第16陸中丸」のみで運航を再開した[34]ものの、残った「第16陸中丸」も老朽化が進行し[30]、また運航スタッフの高齢化[34]に加えて赤字が常態化していたため、事業継続を断念し2021年1月11日に運航を終了した[159]。「第16陸中丸」はその後、香川県の貿易会社に売却された[160]。
航路
2006年時点の航路は下記の通りである[161]。
- 浄土ヶ浜島めぐり
- 浄土ヶ浜発着の周回航路。12 km、所要時間40分。
- 浄土ヶ浜 - 田老
- 4月 - 10月の季節運航。22 km、所要時間40分。
- 山田 - 大島
- 夏期運航、所要時間13分。
- 北山崎めぐり
- 島越発着の周回航路。20 km、所要時間45 - 50分。当初は直営だった[162]が、後に株式会社陸中たのはたによる運航となった。
船舶
- 第一陸中丸[163]
- 1962年6月進水、本郷造船鉄工建造、木造
- 88.33総トン、登録長22.00m、型幅5.00m、型深さ5.50m、ディーゼル2基、機関出力360ps、航海速力11.00ノット、旅客定員平水230名・沿海140名
- 第二陸中丸[164]
- 1963年7月竣工、墨田川造船建造、木造
- 136.43総トン、登録長13.00m、型幅5.78m、型深さ2.10m、ディーゼル1基、機関出力180ps、航海速力9.00ノット、旅客定員平水350名・沿海270名
- 第三陸中丸[165]
- 1964年6月竣工、墨田川造船建造、木造
- 91.64総トン、登録長22.50m、型幅5.23m、型深さ1.95m、ディーゼル2基、機関出力360ps、航海速力11.5ノット、旅客定員220名
- 第六陸中丸[166]
- 1969年6月進水、78総トン
- 第七陸中丸[167]
- 1969年8月竣工、96.82総トン、登録長24.91 m、型幅5.39 m、型深さ2.25 m、ディーゼル2基、機関出力720 ps
- 第8陸中丸[168]
- 1973年6月竣工、1982年改装、墨田川造船建造
- 146.39総トン、全長28.40 m、型幅5.30 m、型深さ2.28 m、ディーゼル、機関出力420 ps、航海速力11.50ノット、旅客定員309名
- 第十陸中丸[167]
- 1975年7月竣工、東海ボート建造、FRP製
- 77.62総トン、登録長22.35 m、型幅5.30 m、型深さ2.28 m、ディーゼル2基、機関出力494 ps
- 第12陸中丸[168]
- 1981年4月竣工、墨田川造船建造
- 191.16総トン、全長32.50 m、型幅6.30 m、型深さ2.53 m、ディーゼル、機関出力720 ps、航海速力13.32ノット、旅客定員400名
- 第15陸中丸[168]
- 1986年4月竣工、墨田川造船建造、船舶整備公団共有
- 109総トン、全長32.50 m、型幅6.30 m、型深さ2.54 m、ディーゼル2基、機関出力720 ps、航海速力13.45ノット、旅客定員423名
- 第16陸中丸[168]
- 1988年4月竣工、墨田川造船建造、船舶整備公団共有
- 109総トン、全長32.80 m、型幅6.30 m、型深さ2.54 m、ディーゼル2基、機関出力720 ps、航海速力13.70ノット、旅客定員423名
- 第17陸中丸[167]
- 1980年3月竣工、松川造船建造、FRP製
- 46.79総トン、登録長18.12 m、型幅4.68 m、型深さ1.73 m、ディーゼル1基、機関出力240 ps
- かもめ[162]
- 18.00総トン、航海速力8.2ノット、旅客定員50名
- ちどり丸[162]
- 18.25総トン、航海速力7.7ノット、旅客定員36名
宮古うみねこ丸
みやこ浄土ヶ浜遊覧船の運航終了が公表された後、地元の宮古市は「浄土ヶ浜観光には遊覧船が必要である」として、新たに船を建造して遊覧船航路を維持することを決定した[169]。事業の運営は民間に委託することとなり[169]、委託先の事業者を公募した結果、県北バスが選定された[170]。
新しい遊覧船は「宮古うみねこ丸」と命名され、2022年7月17日に就航した[171]。宮古市から県北バスに船が貸与される形で運航される[172]。
運行経路
- 宮古港出崎埠頭 → 浄土ヶ浜 → 宮古港出崎埠頭
1日7便運航。出崎埠頭→浄土ヶ浜間のみ、浄土ヶ浜→出崎埠頭間のみの乗船も可能。
注釈
出典
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