公正取引委員会 組織

公正取引委員会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 17:21 UTC 版)

組織

公正取引委員会は、独禁法等の違反事件の調査や審決を行う準司法的な機能、および規則制定権の準立法的な機能を有している。内閣総理大臣の所轄に属するとされているものの、委員長および4名の委員が「独立」(独占禁止法28条)して職権を行使する独立行政委員会である。委員長および委員の任命には衆参両議院の同意を必要とする。委員長は認証官とされ、その任免は天皇により認証される。

事務総局の内部組織は、法律の独占禁止法[3]、政令の公正取引委員会事務総局組織令[56]、内閣府令の公正取引委員会事務総局組織規則[注釈 6][57]および公正取引委員会規則である公正取引委員会事務総局組織規程[58]が階層的に規定している。

公正取引委員会

  • 委員長(認証官。正式表記は「公正取引委員会委員長」、給与は副大臣と同等。)
  • 委員(4人。正式表記は委員長の例に同じ、給与は事務総長(次官級)と同等。)

公正取引委員会事務総局

  • 事務総長(正式表記は「公正取引委員会事務総長」。「事務総局」は挿入しない。)
  • 審判官(3名。正式表記は「公正取引委員会事務総局審判官」。「事務総局」は省略しない。)

内部部局

  • 官房(正式表記は「公正取引委員会事務総局官房」)
    • 総括審議官
    • 政策立案総括審議官
    • 審議官(3名)
    • 公文書監理官
    • サイバーセキュリティ・情報化参事官
    • 参事官
      • 総務課
        • 会計室
        • 企画官(2名)
      • 人事課
        • 企画官(2名)
      • 国際課
        • 企画官(2名)
  • 経済取引局
      • 総務課
        • 企画室
        • デジタル市場企画調査室
      • 調整課
        • 企画官
      • 企業結合課
        • 上席企業結合調査官(3名)
    • 取引部
      • 取引企画課
        • 取引調査室
        • 相談指導室
        • フリーランス取引適正化室
      • 企業取引課
        • 下請取引調査室
        • 企画官
        • 上席下請取引検査官(2名)
  • 審査局
    • 審査管理官(2名)
      • 管理企画課
        • 企画室
        • 情報管理室
        • 公正競争監視室
        • 課徴金減免管理官
        • 上席審査専門官
      • 第一審査長
        • 上席審査専門官
      • 第二審査長
        • 上席審査専門官
      • 第三審査長
        • 上席審査専門官
      • 第四審査長
        • 上席審査専門官
        • 上席審査専門官(デジタルプラットフォーマー担当)
      • 第五審査長
      • 訟務官
    • 犯則審査部
      • 第一特別審査長
      • 第二特別審査長

地方機関

各事務所等の内部組織については#所在地を参照されたい。

  • 北海道事務所(正式表記は「公正取引委員会事務総局北海道事務所」。「事務総局」は省略しない。他の事務所も同様)
  • 東北事務所
  • 中部事務所
  • 近畿中国四国事務所
    • 中国支所
    • 四国支所
  • 九州事務所

沖縄県内については、内閣府沖縄総合事務局総務部公正取引課が公取委地方機関の役割を担う。

研究機関

  • 競争政策研究センター(CPRC)。足元の施策実施に役立てるという観点はもとより、中長期的観点から独占禁止法の運用や競争政策の企画・立案・評価を行う上での理論的な基礎を強化するため、外部の研究者や実務家の知的資源と公正取引委員会職員との機能的・持続的な協働のプラットフォームの整備を図ることを目的とする[59]

注釈

  1. ^ 「公正且つ自由競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済民主的で健全な発達を促進する」(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律27条の2柱書、1条)
  2. ^ なお、所管の移管後も、主に公取委地方事務所所管地域における景品表示法違反事件については、景品表示法33条2項の規定に基づき、消費者庁長官からの権限の委任を受けて、公取委地方事務所が引き続き調査等を行なっている。公取委が調査を行なった例として、2022(令和4)年6月9日に発表されたあきんどスシローに対する措置命令が挙げられる。
  3. ^ 「公正取引委員会は、その職務を行うために必要があるときは、公務所、特別の法令により設立された法人、事業者若しくは事業者の団体又はこれらの職員に対し、出頭を命じ、又は必要な報告、情報若しくは資料の提出を求めることができる。」(独占禁止法第40条)。なお、同法第94条の2には命令に従わない者や虚偽の報告を行った者への処罰規定が設けられている。
  4. ^ 削減に備えて予め委員の補充を抑えて2名欠員としていた。
  5. ^ 委員長在任中に委員が1人欠員で3人(合議体としては4人)となった例はそれまでも度々あったが、委員長と委員1人の欠員が重複して合議体が3人となったのはこのときが初めてであった。
  6. ^ 制定時は総理府令だが現在は内閣府令として効力を有している。

出典

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  3. ^ a b 昭和22年4月14日法律第54号(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)
  4. ^ 犯則調査権限”. 公正取引委員会. 2022年11月1日閲覧。
  5. ^ 下請代金支払遅延等防止法(昭和31年6月1日法律第120号)
  6. ^ 不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年5月15日法律第134号)
  7. ^ 鈴木孝之、河谷清文『事例で学ぶ独占禁止法』有斐閣、2017年5月25日、421頁。ISBN 978-4-641-14457-6 
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  10. ^ 新日鐵住金の日新製鋼子会社化に公取委はどう判断するか”. ビジネスジャーナル (2016年3月9日). 2016年4月21日閲覧。
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  12. ^ “公取委判断が焦点 新日鉄住金の日新製鋼子会社化”. 日本経済新聞. (2016年2月2日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ01I7Z_R00C16A2EA2000/ 2016年4月21日閲覧。 
  13. ^ a b 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律 (フリーランス・事業者間取引適正化等法) 説明資料”. 内閣官房新しい資本主義実現本部事務局、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省. 2024年2月29日閲覧。
  14. ^ 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和五年法律第二十五号)| e-Gov法令検索”. elaws.e-gov.go.jp. 2024年3月4日閲覧。
  15. ^ 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案:参議院”. www.sangiin.go.jp. 2024年3月4日閲覧。
  16. ^ 小山紘一 (2023年8月29日). “概説フリーランス新法”. コラム. 骨董通り法律事務所. 2024年3月3日閲覧。
  17. ^ 令和5年5月10日付 事務総長定例会見記録 | 公正取引委員会”. www.jftc.go.jp. 2024年3月4日閲覧。
  18. ^ 経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針2022)”. 内閣府. p. 12. 2022年11月1日閲覧。
  19. ^ 公正取引委員会のアドボカシー活動”. 公正取引委員会. 2022年11月1日閲覧。
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  21. ^ 携帯電話市場における競争政策上の課題について(平成30年度調査)”. 公正取引委員会 (2018年6月28日). 2022年11月1日閲覧。
  22. ^ 携帯電話市場における競争政策上の課題について(令和3年度調査)”. 公正取引委員会 (2021年6月10日). 2022年11月1日閲覧。
  23. ^ デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査(オンラインモール・アプリストアにおける事業者間取引)について”. 公正取引委員会 (2019年10月31日). 2022年11月1日閲覧。
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  26. ^ フィンテックを活用した金融サービスに関するアドボカシー活動”. 公正取引委員会. 2022年11月1日閲覧。
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  28. ^ “代理店への卸値、値下げ 携帯3社、公取委指摘受け”. 朝日新聞. (2021年10月14日). https://www.asahi.com/articles/DA3S15075412.html 
  29. ^ 携帯電話に関するアドボカシー活動”. 公正取引委員会. 2022年11月1日閲覧。
  30. ^ 日本経済団体連合会 経済法規委員会競争法部会 (2022年3月31日). “デジタル化とグローバル化を踏まえた競争法のあり方-中間論点整理-”. 2022年11月1日閲覧。
  31. ^ 令和4年10月26日付 事務総長定例会見記録”. 公正取引委員会. 2022年11月30日閲覧。 “この任意で行う調査との対比において、40条の権限というのは、これに従わない場合にはやはり罰則があるということになりますので、47条の権限と同じ間接強制ということになりますから、罰則担保による強制ということで、任意調査との対比で強制調査というような使われ方をされることもあります”
  32. ^ a b 菅久修一 編『独占禁止法(第4版)』商事法務、2020年11月20日、195頁。ISBN 978-4-7857-2822-9 
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  39. ^ 昭和22年7月18日政令第139号
  40. ^ 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(昭和22年7月31日法律第91号)
  41. ^ 昭和23年7月29日政令第188号による公正取引委員会事務局官制の改正
  42. ^ 行政機関職員定員法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律(昭和24年5月31日法律第133号)第8条
  43. ^ 総理府設置法の制定等に伴う関係法令の整理等に関する法律(昭和24年5月31日法律第134号)による改正
  44. ^ a b c d 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(昭和27年7月31日法律第257号)
  45. ^ 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(昭和39年3月27日法律第12号)
  46. ^ 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(平成8年6月14日法律第83号)
  47. ^ 平成15年4月9日法律第23号公正取引委員会を内閣府の外局に移行させるための関係法律の整備に関する法律
  48. ^ a b 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(平成25年12月13日法律第100号)
  49. ^ 「公取委、浜田氏が委員長代理へ」時事通信 2012/9/12 15:49
  50. ^ 「改正独禁法が成立 不服審査、東京地裁で」2013年12月7日付配信 日本経済新聞
  51. ^ 物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策等に基づく中小下請取引適正化に向けた執行強化のための緊急増員について”. 公正取引委員会. 2023年4月1日閲覧。
  52. ^ 行政機関職員定員令の一部を改正する政令(令和4年12月9日政令第374号)
  53. ^ 公正取引委員会事務総局組織規則の一部を改正する内閣府令(令和5年3月30日内閣府令第30号)
  54. ^ 沖縄総合事務局組織規則の一部を改正する内閣府令(令和5年3月31日内閣府令第35号)
  55. ^ 公正取引委員会HP「相談・申告等窓口」
  56. ^ a b 公正取引委員会事務総局組織令(昭和27年8月30日政令第373号)
  57. ^ a b c 公正取引委員会事務総局組織規則(昭和53年4月5日総理府令第10号)
  58. ^ a b 公正取引委員会事務総局組織規程(昭和40年4月15日公正取引委員会規則第1号)
  59. ^ CPRCとは?公正取引委員会HP
  60. ^ 行政機関職員定員令(昭和44年5月16日政令第121号)(最終改正、令和6年3月29日政令第87号)
  61. ^ 窓口一覧”. 公正取引委員会. 2022年9月13日閲覧。
  62. ^ 虎ノ門再開発建物の権利床の入居官署 令和3年度の庁舎等使用調整計画(追加議案)”. 財務省. 2022年9月13日閲覧。
  63. ^ 幹部名簿 公正取引委員会
  64. ^ 杉本和行”. TMI総合法律事務所. 2022年9月13日閲覧。
  65. ^ 長島・大野・常松法律事務所 パートナー 弁護士 渡邉 惠理子 Attorney's MAGAZINE(2021年9月1日閲覧)






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