丹波国
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丹波国の合戦
- 1508年:福徳貴寺合戦、細川澄元派(長澤氏・酒井氏) x 細川高国 派(波多野氏、波々伯部氏、大芋氏)
- 1511年:船岡山の戦い、足利義稙方(細川高国、大内義興等) x 足利義澄方(細川澄元、細川政賢等)
- 1527年:桂川原の戦い、波多野秀忠・柳本賢治・三好勝長 x 細川高国・武田元光
- 1554年:黒井城の乗っ取り戦、赤井直正 x 荻野秋清
- 1575年 - 1576年:第一次黒井城の戦い、赤井直正・波多野秀治 x 織田軍(明智光秀 )
- 1579年:第二次黒井城の戦い、織田軍(明智光秀、細川藤孝等1万) x 赤井幸家(1,800)
- 1579年:八上城の戦い、明智光秀 x 波多野秀治
- 1579年:八木城の戦い、明智光秀(2,000) x 内藤有勝・内藤正勝(1,000)
現在
行政上の呼称
- 京都府内
- 南丹または口丹(くちたん:全域丹波) - 亀岡市、南丹市(旧船井郡園部町・八木町・日吉町、北桑田郡美山町)、船井郡
- 中丹(ちゅうたん:丹波と丹後にまたがる地域) - 福知山市、綾部市、舞鶴市(旧天田郡・旧何鹿郡・旧加佐郡)
- 兵庫県内
- 丹波(兵庫丹波) - 丹波市、丹波篠山市
京都丹波・兵庫丹波
丹波の範囲は、現在の兵庫県側は丹波篠山市及び丹波市で、人口・面積ともに全体の2割弱。京都府側は亀岡市、南丹市、船井郡京丹波町、綾部市、福知山市であるため、兵庫県部分より京都府部分のほうが広大である。「兵庫丹波」「京都丹波」と分類するのは、丹波が2府県にまたがるためである。
そもそも丹波は、中央集権体制を進める明治政府の大久保利通らにより、但馬・丹後を含め似通った地域性を無視して2府県に分けられた。亀岡市及び旧船井郡園部町、八木町を除き府県庁所在地を含む京阪神から遠く離れ、両府県および国の施策からは重きを置かれずにいたので、高度経済成長期に一層の過疎化が強まった。なお、1871年(明治4年)11月2日~1876年(明治9年)8月21日の約5年間は、桑田、何鹿、船井3郡および山城が京都府、氷上、多紀、天田3郡および但馬、丹後が豊岡県と言う構成であった。豊岡県を二分し、天田郡と丹後が京都府、氷上、多紀2郡と但馬が兵庫県に編入されることになったのは、旧出石藩士の桜井勉の発案であるが、当初桜井は豊岡県全域と飾磨県(播磨)との合併を進言したようである[注釈 3]。
「丹波市」名称問題
2004年(平成16年)11月、旧氷上郡が町村合併で周囲の反対を押し切る形で丹波市を新市名とした。これに対しては、反対論や批判もあった。兵庫県篠山市は、丹波の名を広めたのは旧丹波国全域であり、「丹波黒豆」や「丹波松茸」などの丹波ブランドを確立したと自負もあった[13]。これに加えて、京都府内の綾部市長や旧丹波町長の各首長からも反対や懸念の声が上がった[14]。古代から丹波国の中心であり続けた亀岡市長からは反対の声がなかった。この問題は毎日放送(MBSテレビ)の関西ローカルニュース番組『VOICE』や『神戸新聞』『京都新聞』をはじめとする関西の新聞・テレビ等の各メディアで大きく報じられた(竹内正浩は著書『日本の珍地名』(文春新書)で丹波市は「京都府をはじめ全国的な反発を買ったという“事件”」であったと書いている)。2004年当時、丹波町(京都府)が存在していたが、市と町の違いがあるので、競合そのものに法律上の問題はなかったが、丹波町が周辺の町と合併して京丹波町が発足した2005年(平成17年)10月11日をもって、丹波市・丹波町の並存は解消した。
「丹波篠山市」への改称
上記の「丹波市」問題に見られるように、篠山市では旧国名・丹波への愛着が強い。市名に旧国名を冠した「丹波篠山」は民謡『デカンショ節』にも謳われ、黒豆や栗など市内物産の販売のブランドとして活用し、観光協会も「丹波篠山観光協会」を名乗っている。「丹波市」問題に触発されるなどして市名を「丹波篠山市」に改称する機運が高まり、2018年11月18日の住民投票で賛成多数となり[15]、2019年5月1日に市名が「丹波篠山市」に改称された。
丹波と丹後・但馬
丹波と丹後をあわせて両丹(りょうたん)、丹波と但馬をあわせて但丹または丹但(たんたん)、丹波と丹後、但馬をあわせて三たん(さんたん)と呼ばれる。「柏原の厄除大祭は三たん一のお祭り」などと表現される。
なお丹但は、但馬と丹後に用いられる場合もある。
脚注
注釈
出典
- ^ a b 『角川日本地名大辞典26 京都府 上巻』角川書店、1982年、936頁頁。
- ^ 『古事記』の一部に記載(『世界大百科事典』(平凡社)丹波国項より)。
- ^ 『正倉院文書 』に記載(『京都府の地名』(平凡社)丹波国節より。)
- ^ 『大同類聚方』に記載『角川日本地名大辞典26 京都府 上巻』角川書店、1982年、936頁頁。
- ^ 『京都地名語源辞典』東京堂出版、2013年、368頁頁。
- ^ 『世界大百科事典』(平凡社)丹波国項。
- ^ 『京都府の地名』(平凡社)丹波国節。
- ^ 『世界大百科事典』(平凡社)丹波国項、『国史大辞典』(吉川弘文館)丹波国項でも「田庭」によるとする。
- ^ a b 『京都地名語源辞典』東京堂出版、2013年、370頁頁。
- ^ 両丹とは両丹日日新聞(2019年8月10日閲覧)。
- ^ a b c 『日本歴史地名大系 京都府の地名』(平凡社)丹波国府跡項。
- ^ 『京都府の地名』亀岡市 案察使項。
- ^ 『神戸新聞』2003年7月17日付記事など。
- ^ 『京都新聞』2003年7月5日付記事など。
- ^ 【列島追跡】兵庫県篠山市、丹波篠山市へ/両隣に丹波、発信課題『日本経済新聞』朝刊2018年11月26日(地域総合面)2018年11月26日閲覧。
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