ジェームズ・ボンド 人物

ジェームズ・ボンド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 00:19 UTC 版)

人物

父・アンドリューはヴィッカース・ディフェンス・システムズ社に勤めるスコットランド人[注釈 1]、母・モニク・ドラウはスイス人

なお父は企業スパイで、幼少期は父の転勤に伴い西欧各地で在住。両親はジェームズが11歳の時にフレンチ・アルプスを登山中に事故死してしまい、その後は叔母のチャーミアンに引き取られ育てられたという設定である。

オックスフォード大学卒業後、イギリス海軍予備員中佐となり第二次世界大戦で出征。終戦後に秘密情報部(MI6)の工作官となる。パブリックスクールではクラブを興す程日本の柔道に打ち込んでいたこともあり、柔道を始めあらゆる格闘技に長けている。しかし、健康面では、尿酸値過多、肝疾患リウマチ高血圧、頭痛などを患っており、医者から「長生きできない」と忠告されている。

コーヒー派で「あんな泥水を飲んでいるから大英帝国が衰退した」と言い切るほどの紅茶嫌い。豆はブルーマウンテンコーヒーメーカーはケメックス(ハリオ式)を使用している。映画版でも踏襲されており、ボンドが紅茶を飲むシーンはない。

はカクテルのウォッカ・マティーニ(本来はジンベースのカクテルであるマティーニウォッカベースにしたもの)をステアせずにシェイクし「舌がしびれるほど冷やして」飲むのが好きで、彼の決め台詞になっている。また、ウォッカとジンの両方とも用意して(ゴードン・ジン 3、ウォッカ 1、キナ・リレ 1/2)、よくシェイクしてシャンパン・グラスに注ぎ、レモンの皮を入れるというオーダーをしたものは、ヴェスパーという名で現実世界でも親しまれている。

ウィンザーノットにしている奴は信用できない」と考えており、ウィンザーノットでタイを結ぶことはない。紐靴には拘りはなく、スリッポンを履くことも多い。

これらの服装や食の好みはフレミングの好みが色濃く反映されている。フレミングは「ウィンザーノットなんて手間のかかる結びをしている奴は顕示欲が強くて、付き合いたくない」とまで述べている。愛用している拳銃は、第一作『007 ドクターノオ』の劇中でベレッタM418(en:Beretta 418)を使っていたのを、武器担当者のアドバイスでワルサーPPKへ切り替え、(後にワルサーP99へ変更)以来同銃である。

誕生日は映画によってそれぞれ異なり、ダニエル・クレイグがボンド役を演じた『カジノ・ロワイヤル』以降の作品では設定が一新され、1968年4月13日ベルリン生まれという設定になっている。両親が登山事故で亡くなったところまでは原作と同様だが、その後にスコットランド郊外にあるスカイフォールを実家としてキンケイドに育てられた後に、オーベルハウザーという人物に引き取られ義兄のフランツと共に育ったという出生に変更されている。また、義兄のフランツと義父のオーベルハウザーは、皮肉にも登山中の雪崩事故に巻き込まれて死亡し、またも天涯孤独となってしまう。ドイツ系の義父に育てられた経緯からかドイツ語、『慰めの報酬』にてボリビアのホテルの受付とのスペイン語で会話するシーンが、また『スペクター』にてメキシコでテロリスト同士がイタリア語で会話するシーンを盗聴する描写があることから、多言語に長けている。『スカイフォール』ではアルコール依存症で引退を勧められ、復帰テストにもお情けで合格させてもらう、といった原作の人物像を多少反映したボンドということになっている。


注釈

  1. ^ この設定は初代ボンド俳優ショーン・コネリーの出自に基づく原作最後期に付けられたいわゆる、後付けのもの
  2. ^ 英語圏では、慣用的に、電話番号などの「0(零)」をアルファベットの「O(オー)」で読み替えることがある。また、同じ数字やアルファベットが連続する場合には、「ダブル…」や「トリプル…」といった形容詞をつけて読み替えることがある。
  3. ^ ただし、日本では近年「ダブル・オー・セブン」が多く使われる傾向にある。また、淀川長治水野晴郎は「ゼロ・ゼロ・ナナ」、「ゼロ・ゼロ・ナナ号」と読む場合もあった(『日曜洋画劇場』、『水曜ロードショー』など)。その一方、荻昌弘は当時から一貫して「ダブル・オー・セブン」と読んでいた(『月曜ロードショー』)。
  4. ^ 実際には007を愛読していたのはケネディ夫人のジャクリーンだったとも言われている
  5. ^ ジョン・ガードナーとアンソニー・ホロヴィツは、「モリアーティ教授もの」と「007シリーズ」の双方で続編を書いた作家となった。
  6. ^ 当初はブロッコリと関係が良好だったコロンビア ピクチャーズと契約する予定であったがコロンビア側は映画化には興味を示さなかった。
  7. ^ ピッカー自身もボンドシリーズの映像権取得に動いていたが、タイミングが会わず、結局サルツマンが取得することになった。
  8. ^ 『ムーンレイカー』に関しては俳優のジョン・ペインが所有していたが、その後権利を買いとることが出来たため、1979年に映画化している。
  9. ^ しかし、『木曜洋画劇場』で放送された際の予告CMではアレンジ版ながらも「ジェームズ・ボンドのテーマ」が使用された。
  10. ^ 映画サウンドトラック盤『007/サンダーボール作戦』にはインストルメンタル曲が収録されている。
  11. ^ 『ネバーセイ・ネバーアゲイン』を含む。
  12. ^ アストンマーティンDBSの実際の落札価格は389,377ドル(約3058万円)となった。
  13. ^ James Bond Jr.にもシリーズを通してのレギュラー悪役として登場する。
  14. ^ 映画は『ユア・アイズ・オンリー』
  15. ^ 映画は『消されたライセンス』
  16. ^ 『ネバーセイ・ネバーアゲイン』ではマクシミリアン・ラルゴ(スペクターNO.1)
  17. ^ 『ネバーセイ・ネバーアゲイン』ではブロフェルド(スペクターNO.2=首領)

出典

  1. ^ 『007』が日本のマンガ・アニメに与えたとてつもない影響 ~007は男子のディズニーランド~ https://www.banger.jp/movie/41447/ 
  2. ^ 「007 逆襲のトリガー」 (角川書店)帯カバー、解説など
  3. ^ 007シリーズ最新作 世界配給がソニー・ピクチャーズに決定! | ソニー・ピクチャーズ公式”. www.sonypictures.jp. 2021年8月10日閲覧。
  4. ^ 007シリーズ【吹替】”. BS-TBS. 2021年8月10日閲覧。
  5. ^ デヴィッド・ピッカーさん死去 ユナイト元社長
  6. ^ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(2)
  7. ^ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(3)
  8. ^ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(4)
  9. ^ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(6)
  10. ^ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(7)
  11. ^ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(8)
  12. ^ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(9)
  13. ^ Wikipedia「Thunderball」の項目など
  14. ^ ブロンディ (バンド) - Wikipedia
  15. ^ 『007』60周年リバイバル上映、豪華ラインナップが発表 ─ 『ロシアより愛をこめて』『ゴールデンアイ』『スカイフォール』など10作”. 2023年10月8日閲覧。
  16. ^ Wikipedia(English)「James Bond (comics)」の項目
  17. ^ タクテクス』No.52 1988年3月号(ホビージャパン
  18. ^ 「Project 007」発表。ヒットマンシリーズのIO Interactiveがジェームズ・ボンドを主人公にした新作を開発” (2020年11月20日). 2021年10月11日閲覧。






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