キジ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/12 13:37 UTC 版)
その他
『桃太郎』、『長柄の人柱』など日本の民話に登場し、日本の野鳥として比較的知名度が高い。 「ケーン」と鳴く。「けんもほろろ」という言葉は、この鳴き声に由来している。また、「頭隠して尻隠さず」ということわざは、草むらに隠れたつもりになったキジの様子に由来している。きしめんの語源には諸説あるものの、キジ肉を平打ちの麺の具にして藩主に献上したから、という説がある。なお、「雉丼」という料理に使われているのは鶏肉。
- 元号の「白雉」は白いキジが捕獲されたことを瑞兆として制定された。
- 日本銀行券D壱万円券 - 一万円紙幣D号券裏面にキジが描かれていた。
- 防衛省情報本部のエンブレムはキジを意匠としている[28]。国鳥であり、桃太郎の話の中では情報収集に活躍したからだという。
- 「キジを撃つ」(キジ撃ち) - 男性が山中で大便や小便をする意味の隠語として登山者の間で使われている。物陰に隠れて用を足す姿勢がキジ猟を思わせることに由来するという[4]。ちなみに女性は「お花摘み」と表現される。これも女性の用足しのしゃがむ姿が草花の中で花を摘んでいる姿に見えるためである。大便と小便を区別する際にはそれぞれ「大キジ」「小キジ」と言い、この場合は男女関係ない表現となる[29]。
- ファジアーノ岡山 - 岡山のサッカーJ2のチーム。ファジアーノはイタリア語でキジの意味で、地元の桃太郎伝説に由来する。
- ファジ丸 - ファジアーノ岡山のキジをイメージしたマスコットキャラクター
- 語源 - 瑰雉のよみからキジとなったことが語源とする説があり、「美しい鳥」を意味する[30]。「雉」には矢のように飛ぶ鳥という意味があり、キジの飛び方と一致している[14]。
- ネコのキジトラは毛色がメスのキジと似ている事からの由来である。
- キジの鳴き声を地震の予兆とする俗信が全国的に見られ[31]、13世紀末の『塵袋』にも、「地震・雷の時に鳴く」と記され、『伯耆国風土記』の引用として、「震動時、鶏雉が鳴く」と記述している[31]。また、キジの夢を吉兆とする地域としては、和歌山県や広島県に見られるが、逆に青森県では、「キジの夢を見ると傷をする」といわれる[32]。
- ^ a b c BirdLife International. 2015. Phasianus versicolor. The IUCN Red List of Threatened Species 2015: e.T22732650A85075019. . Downloaded on 11 December 2015.
- ^ a b “Phasianus versicolor (Vieillot, 1825)” (英語). ITIS. 2012年4月1日閲覧。
- ^ “Phasianus versicolor in Avibase”. 2023年5月22日閲覧。
- ^ a b c d e f 鳥類図鑑 (2006)、102-103頁
- ^ a b c d 里山の野鳥ハンドブック (2011)、13頁
- ^ a b c 「キジ」『日本鳥類目録 改訂第7版』日本鳥学会(目録編集委員会)編、日本鳥学会、2012年、4-5頁
- ^ Clements, J.F.; et al. "Clements checklist of birds of the world: v2015 (Excel spreadsheet). (Retrieved 11 December 2015).
- ^ Pheasants, partridges & francolins, Gill F & D Donsker (Eds). 2015. IOC World Bird List (v 5.1). doi:10.14344/IOC.ML.5.1 (Retrieved 11 December 2015)
- ^ 日本の国鳥:1947年3月の日本鳥学会第81回例会。
- ^ “きじ、七面鳥、ほろほろ鳥を守るために” (PDF). 中央畜産会 (2009年10月). 2012年4月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i ひと目でわかる野鳥 (2010)、133頁
- ^ a b c 野山の鳥 (2000)、30-31頁
- ^ a b c d e 色と大きさでわかる野鳥観察図鑑 (2002)、49頁
- ^ a b c 野鳥の名前 (2008)、120-121頁
- ^ 2007年5月13日放送 『所さんの目がテン!』の実験
- ^ “キジ”. サントリー. 2012年4月3日閲覧。
- ^ “ご放鳥(那須御用邸)”. 宮内庁. 2012年4月3日閲覧。
- ^ “キジ”. 日本野鳥の会. 2012年4月3日閲覧。
- ^ “鳥に関するよくある誤解と被害対策” (PDF). 関東地域野生鳥獣対策連絡協議会 (2004年10月14日). 2012年4月3日閲覧。
- ^ “鳥類の基礎知識” (PDF). 農林水産省. p. 25 (2010年9月24日). 2012年4月3日閲覧。
- ^ “東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)~東京都レッドリスト~2010年版” (PDF). 東京都環境局. pp. 48 (2011年4月). 2012年4月3日閲覧。
- ^ “狩猟制度の概要”. 環境省. 2012年4月3日閲覧。
- ^ 『現代語訳 徒然草』(角川株式会社、66段)
- ^ 鈴木棠三、広田栄太郎編『故事ことわざ辞典』(東京堂出版、36版1968年)246頁
- ^ 鳥居久雄「食材研究 : 日本の国鳥、雉(キジ)の料理」 名古屋文化短期大学 研究紀要 38(0), 27-36, 2013, doi:10.20582/nfcc.38.0_27, NAID 110009558970
- ^ a b c d 永積 1995, pp. 172–174.
- ^ 鈴木 2020, pp. 255–256.
- ^ “防衛省情報本部のシンボルマーク”. 防衛省. 2012年4月3日閲覧。
- ^ “キジ撃ち=トイレ!?意味を知って驚く「山用語」ランキング”. gooランキング (2016年8月11日). 2021年9月13日閲覧。
- ^ 鳥名源 (2010)、89-90頁
- ^ a b 鈴木 2020, p. 254.
- ^ 鈴木 2020, p. 255.
- ^ “エッセイ「野鳥に親しむ」”. birdedu.la.coocan.jp. 2023年5月22日閲覧。
- >> 「キジ」を含む用語の索引
- キジのページへのリンク