オフィスコンピュータ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/30 09:16 UTC 版)
概要
オフィスコンピュータはミニコンピュータ(ミニコン)とほぼ同クラスの機器であるが、ミニコンが主に科学技術計算(浮動小数点演算、通信・制御用、研究所や教育機関など)に利用されるのに対し、主に事務処理用(商用計算、10進数演算、帳票処理など)を想定した設計になっている。海外ではメインフレームなど大型機を持つメーカーを中心に、「スモール ビジネス コンピュータ」(Small Business Computer)、「ミッドレンジコンピュータ」(Midrange Computer)とも呼ばれる。
ミニコンピュータ同様に端末から操作される種類のコンピュータで、端末には高度な処理能力を必要とせず、文章や図表・印刷の体裁に至る機能までもを内部で処理して、端末の画面やプリンターへと出力する。特にオフィスコンピュータでは、伝票類の印刷や業務収支計算などのプログラムが用意されている。
日本では、1970年代後半から1990年代にかけて、中小企業の財務会計や給与計算、販売管理といった、全社的な業務処理システムや、大手企業の支社や支店、部門ごとの処理システムの構築用に多く導入され、全国の中小企業や工場の情報化に貢献した。日本でのオフィスコンピュータはメインフレームのような海外からの技術導入とは直接関係なく進化していった。また、日本独自の商習慣や日本語を扱う点などがシステムそのものの設計にも影響し、海外からの進出が困難だった市場でもある。設計は基本的に各メーカーの独自アーキテクチャである。
オフコンと呼ばれるコンピュータには、現在のサーバに相当するNEC S3100などのコンピュータから、クライアントやワークステーションに相当する富士通FACOM K-10やNEC N5200などのコンピュータまで存在する。市場の縮小の影響で、日立(1993年)、東芝(1996年)、NEC(2015年)などの大手メーカーが撤退した。現在の主なメーカーは日本IBM、三菱電機、富士通(ハードからは撤退)となっている。
- 代表的なオフィスコンピュータ
- 富士通 : FACOM Kシリーズ、GRANPOWER6000(GP6000)シリーズ、PRIMERGY 6000、FACOM 9450、FMGシリーズ(旧称FACOM Gシリーズ)
- 日本電気 : N5200シリーズ、S3100シリーズ、S7100シリーズ、S100シリーズ、Express5800/600シリーズ
- IBM : AS/400シリーズ → eServer iSeries → System i → Power Systems
- 日立 : HITAC、L-30, L-50, L-70シリーズ、L-700シリーズ
- 三菱電機 : MELCOM80シリーズ、RX7000シリーズ、Entranceシリーズ、CENTRAGEシリーズ、CENTRAGE IIシリーズ
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