インディゴ 化学的性質

インディゴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/13 09:59 UTC 版)

化学的性質

インディゴの構造式

インディゴは暗青色の結晶性固体で、融点は 390 – 392℃である。アルコールエーテルには溶けないが、クロロホルムニトロベンゼン濃硫酸には可溶である。

天然にはインディカンとして存在し、これは無色で水に溶ける。インディカンは容易に加水分解してグルコースインドキシルになる。空気にさらすなどして緩やかに酸化すると、インドキシルはインディゴに変換される。

1800年代後期に開発された工業合成法はいまだに世界中で使われている。この方法では、フェニルグリシンナトリウムを水酸化ナトリウムとナトリウムアミドの存在下に環化させてインドキシルを合成する。

インディゴを分解させるとアニリンピクリン酸などが生成する。実用的な反応としては尿素によるインディゴ白への還元が挙げられる。インディゴ白は繊維に浸透させたあと、酸化によりインディゴに戻される。

インディゴカルミンの構造式

インディゴを硫酸で処理するとスルホン化されて青緑色になる。この反応は1700年代中期には知られていた。スルホン化されたインディゴはサクソンブルー[11]インジゴカルミンと呼ばれる。

ティルス紫[12] は古代ギリシャ・ローマで貴重だった紫の染料である。地中海の巻き貝から抽出される。1909年にその構造が 6,6'-ジブロモインディゴであることが示された。商業的合成法は知られていない。

CAS登録番号は [12626-73-2]、SMILES表記はN2C1=CC=CC=C1C(=O)C2=C4NC3=CC=CC=C3C4=O である。


  1. ^ インジゴ(indigo)”. 大辞泉. 小学館. 2017年12月6日閲覧。
  2. ^ せい‐らん【青藍】”. 大辞泉. 小学館. 2017年12月6日閲覧。
  3. ^ : woadホソバタイセイ
  4. ^ isatis tinctoria
  5. ^ polygonum tinctorum
  6. ^ indigofera tinctoria および Indigofera sumatrana
  7. ^ indigofera suffruticosa
  8. ^ indigofera arrecta
  9. ^ ギリシア語ラテン翻字: indikon
  10. ^ 石炭化学の始まり”. 三井化学. 2023年7月17日閲覧。
  11. ^ : saxon blue
  12. ^ : tyrian purple


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