John Lobb SAS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/02 06:38 UTC 版)
「ジョン・ロブ」の記事における「John Lobb SAS」の解説
John Lobb SASは、フランスを拠点に各国で既製靴を販売する他、パリにビスポークの生産拠点がある。 1902年にジョン・ロブが開設したパリ支店が1976年に閉店した際、フランスの高級ブランドグループであるエルメスがジョン・ロブの商標権を取得した。エルメスの商標権取得から除外されたのが、ロンドンのセント・ジェームズ・ストリートにあるオーダーメイドの靴工房であり、現在もジョン・ロブの末裔が保有している。その後の数年間、エルメスは、ジョン・ロブのブティックの世界的な流通ネットワークを構築し、1982年にはジョン・ロブのブランドの既製靴を発表した。当初、既製ラインの靴は、エルメスがイギリスのノーサンプトンに本拠を置くライバルのエドワード・グリーン社に委託して作られていた。1990年、エルメスはエドワード・グリーンの株式の過半数を取得し、数年後に競合ブランドを吸収したいと考えたが、法的な係争を経ても成功しなかった。この提携は1994年に終了し、それ以降、ジョン・ロブの既製ラインは、エルメスの子会社であるJ.L. & Company Ltd.を通じて、エドワード・グリーンから購入したノーサンプトンの工場で製造されている。オーダーメイドの靴はパリで作られており、工房はパリのモガドール通り32番地に置かれている。標準的なラインナップに、女性物の靴は含まれないものの、男性用のベルト、革製品、ストッキング、靴の手入れ用品などのアクセサリーも含まれている。2000年代後半には、ポール・スミスやアストンマーティンとのコラボレーションが行われた。2012年時点では、パリ(3店舗)、ジュネーブ、モスクワ、ドバイ、ニューヨーク、コスタメサ、東京、大阪、名古屋、福岡、香港(2店舗)、台北、上海、北京、杭州、ソウルにジョン・ロブのブティックがあり、いずれもエルメスが運営している。ロンドンのジャーミン・ストリート(英語版)にもフランス資本のジョン・ロブのブティックがある。さらに、これらのモデルは、ハロッズ、バーグドルフ・グッドマン(英語版)、セルフリッジズ、ニーマン・マーカス、レーン・クロフォード(英語版)(香港)などの高級百貨店でも販売されている。 創業者の曾孫であるジョン・ハンター・ロブが創業者に敬意を表す形でエルメスの監査役員に就任している。また、ジョン・ロブ SASは、いわゆる「測定日」に、世界各国の都市の靴小売店に代表者を派遣している。フランス資本のジョン・ロブのオーダーメイド靴の中敷きに書かれたジョン・ロブの筆記体の文字は、ジョン・ロブ・リミテッドの靴の中敷きに書かれた物と同じだが、そこにはロイヤルワラントと都市名は見当たらない。既製靴には別のロゴが入っている。2016年まではイニシャルの「JL」で構成されていた。2016年にはブロック体のフルネームが新ロゴとして発表された。 2014年には、自身のウィメンズとメンズブランド1205を経営するブラジル生まれのファッションデザイナー、パウラ・ジェルバーゼが、エルメス傘下のジョン・ロブ・パリのアーティスティック・ディレクターに就任した。2016年には、同社史上初となるレディースシューズのプレタポルテラインを発表。 パリのジョン・ロブSASのオーダーメイド靴の価格は、ロンドンのジョン・ロブ・リミテッドのオーダーメイド靴の価格よりもさらに高価であり、オーダーメイド靴の納品前に試着の機会を設けている。 ロンドンに拠点を置くジョン・ロブ Ltd.は、自社のウェブサイトでフランス資本のジョン・ロブについて言及しており、エルメスの庇護の下、ジョン・ロブの名前でオーダーメイドと既製靴の両方のラインがパリで運営されている事を誇りに思うと述べている。 同様にパリを拠点とするジョン・ロブSASも、ウェブサイトでロンドンを拠点とする家族経営とその共通のルーツについて言及している。 主な製品は英国ノーザンプトンにある自社工場で製造されているが、スニーカーのようなカジュアルシューズはイタリア製である。 日本国内の店舗は、John Lobb SASの日本法人である株式会社ジョンロブジャパン(東京都千代田区)が運営している。
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