電力管理法とは? わかりやすく解説

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電力管理法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/20 05:34 UTC 版)

日本発送電」の記事における「電力管理法」の解説

電力国家統制法案」は、1938年昭和13年1月19日第1次近衛内閣において、内閣調査局により、国家総動員法案などと共に提出されたが、法案成立過程においては国策研究会が会内部委員会設置しそれまで頼母木案の修正図った日中戦争次第激化するに連れ現状では戦時体制維持図れいとする軍部意向強く反映されていた。 この「電力国家統制法案」は三つ法案からなる。「電力管理法案」・「日本発送電株式会社法案」そして「電力管理に伴う社債理に関す法案であったが、特に重要だったのが電力管理法案であった。これは電力会社道府県民間企業全て対象に、日本存在する全ての電力施設国家接収管理するという趣旨法案である。そして接収した電力施設は「半官半民」である日発送株式会社によって管理し一元運営を行うとするものであった。 この法案に対して電力業界当然のことながら猛反発した。特に東邦電力社長で「電力王」の異名を持つ松永安左エ門は、1933年講演において軍部追随する内務逓信官僚を「人間クズである」と痛烈に非難した。だがこうした電力業界反発当時絶大な権力持った軍部によって抑圧され、「人間クズ発言をした松永軍部から危険人物としてマークされる至った松永企画院総裁であった鈴木貞一助言によって隠退し以後正面切って法案反対する勢力は居なくなった一方議会では日本発送電資金調達対す財源や、低廉電気料金現実性巡って意見紛糾原案否決され衆議院修正案提出されたものの、貴族院でさらに再修正されるなど法案の成立には紆余曲折があった。 被収用業者新会社株式または社債交付するというのは、公用徴収精神である完全賠償反するという批判に対しては、政府は、「新会社社債または株式新会社採算が確実であるのだから完全賠償である」と反論した。また「本法成立させる理由は、そもそも電力はその性質上、公益的独占的であり、わが国天然資源乏しく石油石炭のような燃料恵まれず、ただ電源である天然水力には恵まれており、電力事業民間経営任せておくと採算上、水力の完全利用望まれず、地方によって料金不同であるから本法によって、水力の完全利用実現させ、料金低廉ならしめ、農村電化実現あわせて企図するのである」と説明した最終的に衆議院貴族院での両院協議会調整されて、3月26日成立4月6日公布された(昭和13年法律76号)。5月25日第5条が、8月10日第1・2条が、他は1939年3月18日施行された。 全7条。適用においては自己の専用または一地方需要供する発送電で勅令定めるもの(すなわち、最大電圧 40,000 V 以上において使用される送電線路を主体とする電力系統属す設備、またはこれと密接な関係を有する設備による発送以外の発送電。電力管理法施行令1条)は除外される。右により管理する発送電中、勅令定めるものは、日本発送電株式会社として発送電を行なわせる政府規定によって日本発送電株式会社および政府管理する発送電をなすものに対して一定の命令をだすことができ、後者対す命令違反した場合2000円以下の罰金規定がある。 法案成立後政府によって逓信大臣管理属す電力管理準備局諮問機関である電力審議会昭和13年勅令369号による)が5月5日設置され発電送電計画のほか議会揉め揉め電気料金設定などについて審議決定が行われた。8月10日には電力評価審査委員会設置され全国電気事業者から接収する電力施設評価について審査行い、これ以降全国発電所変電所送電施設段階的に接収されていった。なお、建前としては各事業者からの出資あるいは買収という形で管理移管するということであったが、実際国家総力戦の名の下、強制的に接収したのと同様であった施設の接収がほぼ終わると、国家管理実施するための実務官庁が必要となった。そこで翌1939年昭和14年4月1日逓信省電気局と電力管理準備局統合し逓信大臣管理属す電気庁を設置した。 こうしてすべての準備整い電気新設と同じ日、日本発送電発足したが、日本発送電はその名の通り発電と送電主体とする企業であり、各家庭事業所への配電事業従来通り民間委ねていた。

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電力管理法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 15:23 UTC 版)

神岡水電」の記事における「電力管理法」の解説

1938年昭和13年4月昭和に入って以来懸案であった電力国家管理問題決着電力国家管理をうたう「電力管理法」が公布されるに至った。これによって全国電気事業者から火力発電所と主要送電線現物出資させて翌1939年昭和14年4月国策電力会社日本発送電株式会社設立することが決定したその後出資すべき設備範囲確定し33事業者対象発送電設備の現物出資指示されたが、この時点では神岡水電対象含まれなかった。しかしながら親会社大同電力は全固定資産の4割に相当する設備出資を命ぜられ、最終的にすべての資産・負債日本発送電へと継承させる道を選んだため、1939年4月2日付で解散した大同電力の解散により同社保有する神岡水電株式日本発送電継承され電力の供給先も同社へと切り替わった。また電力管理法の影響により新規水力開発不可能になり、建設準備進めていた東町発電所権利日本発送電へと移行したのは前述通りである。 日本発送電発足後日中戦争拡大する中で政府電力国家管理強化指向し水力発電所を含む主要電力設備日本発送電帰属させることを決定勅令により電力管理法施行令改正し1941年昭和16年5月同年8月2度にわたり全国電気事業者に対して設備出資命令発した出資期日1941年10月1日(=第1次出資)か翌1942年昭和17年4月1日(=第2次出資)のいずれかで、第1次出資には27第2次出資には23事業者それぞれ指定され第1次第2次合計水力発電所292か所、火力発電所9か所、送電設備297路線変電設備25か所に及ぶ電力設備の出資が命ぜられた。

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