調理と材料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/09 19:01 UTC 版)
完全に標準的なパスティの材料は無いが、伝統的なレシピではサイコロ状に切った、または薄切りの牛肉、極薄切りのタマネギとジャガイモが具に含まれる。他の一般的な材料はルタバガ(デヴォンとコーンウォールではyellow turnip「黄色いカブ」と呼ばれる)、およびパセリである。コーニッシュ・パスティにニンジンを使うことに厳格主義者は難色を示し、コーンウォールで作られ、販売されるパスティに使われることはほとんどない。伝統的にハラミが使われるが、他の部位が使われることもある。牛挽き肉で作るパスティは一般的であるが、挽いていない牛肉のパスティよりも安価に売られている。現代のパスティでは牛肉が豊富に使われているが、19世紀のコーンウォールの鉱員の多くにとってはこれは非日常的な贅沢であったため、伝統的なパスティには通常肉よりも多くの野菜が使われている。 パスティの材料は通常、好みに応じて、塩とコショウで味付けする。 今日、パスティの具は、特にコーンウォール以外で多様化している。一般的なフィリングとして、牛肉とスティルトンチーズ、鶏肉とハム、チーズと野菜が使われ、またシチメンチョウやファルスも使われる。他の特別なパスティには朝食用およびベジタリアン用パスティがある。パスティ皮のレシピもまた様々であるが、伝統的なパスティは、コーンウォールの鉱山に持ち込まれるものであり、携帯されての作業中の振動や衝撃に耐えるよう、硬いが、脆くない皮で包まれている。最近のパスティのほとんどはショート(ペイストリー)クラストで作られている。パスティ製造業者の間には、パスティの正統な伝統的材料とレシピ、特に使用する野菜と皮の折り目の付け方についての論争がある。折り目の議論は、コーンウォールにおいてさえ論争があり、あるものは横閉じの折り目を支持し、他方は上閉じの折り目がより真正であると主張する。デヴォンとコーンウォールのパスティの違いは、コーニッシュ・パスティが半円形であり 厚い皮でパスティの縁を曲線に折り閉じるのに対して、デヴォンのパスティは上を折り閉じて楕円形である点だが、上を閉じるか横を閉じるかは、調理時の気分によるものである可能性がより高い。 豚肉とリンゴのパスティは、コーンウォール中の店で売られており、パスティの具がリンゴ味のソースで混ぜられている。同様に、リンゴとイチジク、チョコレートとバナナといった甘いパスティも、コーンウォールのいくつかの地域で一般的である。また、windy pasty「ウィンディ・パスティ」として知られる種類は、パスティ作りの余ったペイストリー生地を集めて丸く押しのばし、ジャムを詰めて通常のパスティと同様に折り閉じ、温製または冷製で食べる。 伝統的なパスティは、1食分として作られていたために、1個あたりが非常に大きく、野菜からのスープと肉汁がグレイビーのように皮をふやかし、特にソースなどをつけずに食べられていた。現在、パスティはフライドポテトと共にグレイビーまたはケチャップを添えて供されることがある。
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