装着部位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/21 05:14 UTC 版)
体に装着する位置によって、以下のような種類がある。 ヒップホルスター 腰の周囲に装着する。装着位置に関しては、利き腕側側面(ストロングサイド・ドロー)、反対側側面(クロスドロー)、背面、腹部など多くのバリエーションがある。ベルトに固定する形式が多いが、ズボンと身体の間に板状部品(パドル)を挟みホルスターを固定する「パドルホルスター」なども存在する。銃を収めた時のグリップの高さにより「ローライド」「ハイライド」(ローはベルトより下、ハイはベルトより上)、他には前が切ってあってそのまま押し出せる「フロントブレイク」、レバーを引けば袋部分が丸ごと開くために抜く必要もない「クラムシェル」(cramshell=二枚貝の殻)、逆にグリップまでカバーされ、簡単には抜けない「フルフラップド」(一般に儀式用)、グリップ底部が上方を向き、銃身は地面と平行、または平行に近い角度になるよう腰背部に装着する「バックサイド」といったバリエーションがある。軍服や戦闘服着用の軍人、制服警察官、私服刑事など、最も多く使用されている形式。銃口が真下に向くものをナチュラルレイクと呼び、前に向くものをフロントレイク、後ろに向くものをバックレイクと呼ぶ。フロントレイクは競技用に多くみられ、バックレイクは私服警官などが多く用いる。 ショルダーホルスター 脇の下に銃を吊るす。ストラップを肩に掛け、反対側の肩や脇腹にストラップ、ゴムバンドなどを掛けて固定する。隠し持つことを重視し、私服刑事、航空機や装甲車両乗務などの狭い空間で任務に付く兵士などに使用されている形式。一般的には銃口を下に向けて収納するモデルが多いが、グリップが下を向く「アップサイドダウン」(逆様)、銃が水平に近い状態になる「ホリゾンタル」というモデルもある。武装している私服刑事がどんなに暑くても上着を脱がないのは、銃入りのホルスターをあらわにしないためである。 レッグホルスター ベルトから吊るし、なおかつホルスター付属のバンドによって、太腿側面に固定する。ボディアーマーやタクティカルベストを着用した際でも銃が抜きやすいため、特殊部隊で多く使用されている形式。正しくは「サイ・ホルスター」(サイ=thighで太腿)。 このほか、ズボンと身体の間に銃を固定するインサイドホルスター、足首に付けるアンクルホルスター(使用は小型拳銃に限られるので、潜入捜査や予備銃携帯のために使われる)などがある。このうち、バックサイドホルスターとショルダーホルスターは、常に銃口を安全な方向に向けていなければならない射撃競技では使用しづらい。特にバックサイドホルスターは、銃を抜いたときに銃口が真後ろを向いている瞬間が必ず存在し、場合によってはルールで使用できないこともある。
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