かんしょう‐そうち〔クワンシヨウサウチ〕【緩衝装置】
緩衝装置
衝撃的な力がかかったとき、衝撃力を緩和して、重要な部分に大きな衝撃が伝わらないようにする装置をいう。自動車の代表的な緩衝装置は、サスペンションとバンパーである。サスペンションは走行中、路面から入る衝撃力や振動を、おもにスプリングとショックアブソーバーの働きでやわらげて、車体に伝わる力を小さくする。それにより乗り心地をよくし、車体やサスペンション各部の強度、耐久性を向上させる。バンパーは車体の前後に取り付けられた緩衝装置で、おもに軽度の衝突時に、車体および乗員への衝撃力を緩和するとともに車体の損傷を防ぐ。
参照 サスペンションスプリング、ショックアブソーバー、バンパー緩衝装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 23:11 UTC 版)
圧縮力のみに対応する緩衝装置 引張力・圧縮力の両方に対応する緩衝装置 ゴム緩衝装置 緩衝装置(かんしょうそうち)は、連結器と車体の間に介在して発車・停車時、また運転中の加減速時などに発生する車両間の圧縮や引張(車端衝撃)を緩和する装置である。 ねじ式連結器の場合は中央で連結を行い両端で緩衝装置(主にタケノコばねもしくは輪ばね)をつける場合が多いが、自動連結器では中央緩衝装置が採用される。 引張力・圧縮力の両方に対応させるものが標準であるが、圧縮力のみに対応するものもある。 さまざまな原理が用いられ古くは金属のコイルばねによる単純ばね式が用いられたが、コイルばねでは柔らかすぎて突当て衝撃を十分吸収できず、かつ限られた場所で多くの容量のものが得られないので、クサビの摩擦力で衝撃力を熱に変えて吸収される引張摩擦装置、油圧を利用する油圧緩衝装置などを経て、ゴムによるゴム緩衝装置が主流として用いられているが、他にもシリコンを用いたシリコン緩衝装置が用いられている。 ゴム緩衝装置は、連結器の後部にある枠継手の中に、ゴムを鋼板にモールド加工したゴムパッドを必要枚数を重ねたゴム緩衝器の両端に伴板を挿入した構造であり、車両側の下部にある台枠の中梁(なかはり)に取付けられた伴板守(ともいたもり)にゴム緩衝装置の両端の伴板(ともいた)が当たる形で支持されて取付けられている。引っ張りの場合は、ゴム緩衝装置の前の伴板が、圧縮の場合は、ゴム緩衝装置の後の伴板が伴板守に当たることで、ゴム緩衝器に圧縮力が働き、衝撃エネルギーを吸収するもので、ゴムパッドは、吸収する衝撃エネルギーの大小や用途により、寸法や形状や枚数(段数)が選択される。ゴム緩衝装置は、アメリカ合衆国では1938年に研究開発が始まり、1953年にアメリカ鉄道協会が仕様書を決定し、使用が公認された。日本では1960年頃から使われ始めた。 シリコン緩衝装置は、シリコンコンパウンドが密封されているシリンダー内にわずかに小さいピストンが挿入されている構造であり、ピストンに結合されているピストンロッドの周囲には戻しゴムが併備され、ピストンロッドとは受圧板で繋がっている。受圧板に衝撃が加わると、ピストンロッドを介してピストンがシリコンを押して圧縮され、シリコンがピストンとシリンダー内壁の隙間を流れている時に発生する摩擦力と圧力により衝撃エネルギーを吸収するもので、戻しゴムはピストンの戻し作用に使用される。これは、主に大型貨車で使用されている。 なお、日本の鉄道(特に客車)の車両間の衝撃が大きいことが、ヨーロッパのようなねじ式連結器および緩衝器の方式が自動連結器よりも優位であることの論拠とされることもあるが、同様の自動連結器を採用するアメリカ、オーストラリアに比較しても日本の状況は悪く、実際には緩衝装置の水準が低いためとされる。
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