第7統合任務部隊
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東京会談のあった8月23日、極東海軍司令長官ターナー・ジョイ中将(英語版)は仁川上陸の実行部隊、第7統合任務部隊(Joint Task Force Seven、JTF-7)を編成した。第7統合任務部隊はアメリカ第7艦隊(旗艦ロチェスター)を基幹に、空母4隻(トライアンフ、フィリピン・シー、ヴァリー・フォージ、ボクサー)、護衛空母2隻(バドエン・ストレイト、シシリー)を擁し、韓国、イギリス、フランス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、オランダなどの艦艇260余隻で構成された。韓国からは哨戒艇4隻、掃海艇7隻が参加した。 アメリカ第7艦隊指揮官、アーサー・D・ストラブル中将は、朝鮮半島水域から佐世保に帰還した8月25日、仁川上陸作戦実施の命令を受けた。ストラブルは第二次世界大戦中、ノルマンディー、レイテ、オルモック、コレヒドールなど22回の上陸作戦に参加した経験を持ち、レイテ島の戦い以降はマッカーサーと協同で作戦したことからマッカーサーはストラブルのことを信頼していた。 ストラブルは予定日まで20日間という短い期間で上陸作戦を策定した。ストラブルは各軍間の調整を行い、9月3日、上陸作戦の統合一般計画「JTF-7作戦計画9-50基本計画(JTF 7 Operational Plan 9-50)」を下達した。 第7統合任務部隊の編成第7統合任務部隊(Joint Task Force 7)ストラブル中将第90任務部隊(TF-90) 攻撃部隊 AGC(揚陸指揮艦)×2、 AH(病院船)×1、 AM(掃海艇)×1、 AMS(機動掃海艇)×6、 APD(高速輸送艦)×3、 ARL(揚陸艇修理艦)×1、 ARS(修理救難艦)×1、 ATF(艦隊曳船)×1、 CVE(護衛空母)×2、 CA(重巡洋艦)×2、 CL(巡洋艦)×3(アメリカ海軍×1、イギリス海軍×2)、 DE(護衛駆逐艦)×1、 DD(駆逐艦)×12、 LSD(ドック型揚陸艦)×5、 LSMR(中型揚陸艦)×3、 PC(沿岸哨戒艇)×4(韓国海軍)、 PCEC(護衛艇)×1、 PF(哨戒フリゲート)×8(アメリカ海軍×3、イギリス海軍×2、ニュージーランド海軍×2、フランス海軍×1)、 YMS(特務機動掃海艇)×7(韓国海軍)、 LST(戦車揚陸艦)×47(内、 SCAJAP(日本商船管理局)×30)、他貨物船など合計約180隻 第92任務部隊(TF-92) 上陸部隊(第10軍団) 第1海兵師団、第7歩兵師団、韓国第17歩兵連隊戦闘団 第91任務部隊(TF-91) 阻止・援護部隊 CVL(軽空母)×1、CL×1、DD×8 第99任務部隊(TF-99) 哨戒偵察部隊 AV(水上機母艦)×2、 AVP(小型水上機母艦)×13 第77任務部隊(TF-77) 高速空母部隊 CV(航空母艦)×2-3、CL×1、DD×14 第79任務部隊(TF-79) 兵站支援部隊 AD(駆逐艦母艦)×2、 AE(給兵艦)×1、 AF(給糧艦)×2、 AK(貨物輸送艦)×1、 AKA(攻撃貨物輸送艦)×3、 AKL(軽輸送艦)×3、 AO(艦隊給油艦)×4、 AOG(軽質油艦)×1、 ARG(内燃機関修理艦)×1、 ARH(重工作艦)×1、 ARS(修理救難艦)×1、ATF×1 8月末、釜山、横浜、神戸、佐世保に多数の APA(攻撃輸送艦)、 AKA(攻撃貨物輸送艦)、 LST(戦車揚陸艦)、LSD(ドック型揚陸艦)が集められた。第1海兵師団主力は神戸、第7歩兵師団は横浜、第10軍団司令部は佐世保に、それぞれ集結した。上陸部隊の乗船は一週間ほどかかり、9月10日ごろから順次、出帆した。
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