石見畳ヶ浦とは? わかりやすく解説

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石見畳ヶ浦

名称: 石見畳ヶ浦
ふりがな いわみたたみがうら
種別 天然記念物
種別2:
都道府県 島根県
市区町村 浜田市国分町
管理団体 浜田市(昭7・525)
指定年月日 1932.03.25(昭和7.03.25)
指定基準 地1,地5,地7,地9
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 大字國分海岸ニアリ台地性ヲ帶ビタル第三紀丘陵ハ海ニ臨ミテ高サ約二十メートルノ波蝕崖ヲナシ崖下千畳敷トスル廣サ三町歩ニ餘レル隆起海床ヲ存ス海床ノ高サハ乃至一.五メートルニ過ギス 其ノ表面メテ平滑ナリ 明治五年二月所謂濱田地震ノ際ニ隆起シテ水面上ニ現ハレタルモノニシテ有史後ノ隆起海床トシテ模範的ノモノナリ
崖及床ハ共ニコノ地方ニ洽布セル第三紀新層ノ砂岩礫岩頁岩ノ瓦層ヨリ成リ此等ノ渚岩カ水手層ヲナシテ相重ナルノ状頗ル美ナリ砂岩ニハ往々交叉層(一ニ偽層ト稱ス)ノ發達シタルアリ 又淺海性ノ貝化石鯨骨化石ヲ有シテ其ノ淺海成ナルヲ示セリ 殊ニコノ層ノ特色トスヘキハ其ノ層中ニ貝化石鯨骨流木片ヲ核心トセル球塊ノ數多存在セルコトニシテ此等ノ球塊ハ幾多ノ層列ヲナシテ砂層中ニ介在風化水蝕ノ兩作用抵抗シテ海床上及崖側ニ半球状井ノ凸起ヲナセルハ頗ル奇ナリ
第三紀層ニハ幾多断層交叉発達セルアリ 海蝕作用此等断層ニ働キテ或ハ洞窟(賽ノ河原洞窟龍穴等)ヲ作リ或ハ嶋嶼(犬島猫島、馬ノ背岩等)ヲ分離セシメ 或ハ海床上ニ直線的裂罅ヲ生セシメ其裂罅左右兩側ニハ石灰沈澱シテ岩質硬化シ以テ異様水蝕現象ヲ呈セシメ 時トシテ 裂罅内ニ方解石ノ美晶ヲ産スル各種ノ地貭鑛物現象ニ富メルヲ見ル又千疊敷北部ニハ粗粒玄武岩岩脈第三紀水成岩ヲ貫キテ露出海蝕結果一條溝渠ヲナセルアリ
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石見畳ヶ浦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/14 03:26 UTC 版)

畳ヶ浦の海蝕洞
海蝕崖 (橋の向こう)

石見畳ヶ浦(いわみたたみがうら)は、島根県浜田市にある海岸景勝地。単純に畳ヶ浦ともいう。名の由来は千畳敷を敷き詰めたように見えることに因む。

広義では、一帯は唐鐘海岸と呼ばれており、その中にある景勝地として扱われる。浜田海岸県立自然公園に指定されている。

概要

一帯は古くから「床浦」と呼ばれた景勝地だが、1872年(明治5年)に発生した浜田地震によって海底が約30cm隆起[1]、今にみられるような千畳敷と断崖が融合した景観となった。地質学的に大変貴重であり、1932年(昭和7年)3月25日に天然記念物に指定されている[2]。なお、隆起量が1m程度とする説もあるが地震後40年余り後の調査であるため信憑性が低い[3]

市内随一の景勝地で観光化もされており、釣り客や海水浴客などが多く訪れる。

環境省が選定したかおり風景100選において、石見畳ヶ浦磯のかおりが選ばれている。

特徴

千畳敷
畳を敷き詰めたという形容の通り、千畳敷には節理による無数の亀裂が走っている。千畳敷を構成する岩盤波食によって状になっている。これを波食棚英語版といい、砂岩層からなる。この砂岩には中期中新世類、流木、クジラ骨などの化石が含まれており、非常に優れた保存状態を誇る。
馬の背
千畳敷の中央に馬の背と呼ばれる岩山がある。これは海岸にあった岩礁が地震によって顔を覗かせたものであり、砂岩と礫岩地層がくっきりと見分けられる。礫岩層は本来、海底に埋もれていたはずであるが、地震によって露出したものである。
石見畳ヶ浦のノジュール
ノジュール(団塊)
千畳敷には至る所に腰掛けのように丸いが並ぶ。これはノジュールと呼ばれるもので、前述の地震によって岩盤そのものが隆起した際に発生したものであり、地層にしたがい、規則的に11列に並んでいる。また、ノジュールは貝殻に含まれる炭酸カルシウムの働きでコンクリート状になっている。全国的にも稀な現象で、畳ヶ浦を代表する特徴的なもの。地質学的にも極めて貴重なものである。2007年に、5個のノジュールが切り取られ盗まれているのが発見され、浜田警察署盗難届が提出されている。
その他の特徴
海岸の背後には高さ20mクラスの断崖が発達しており、地層の交差が顕著である。また海蝕洞も見られ、内部には地蔵菩薩が置かれた。途中に賽の河原と呼ばれる場所がある。海上には犬島、猫島という奇岩が浮かぶ。

アクセス

石見畳ヶ浦
石見畳ヶ浦の位置

最寄のはJR山陰本線下府駅。下府駅前にある下府駅口バス停より石見交通バスに乗車し、千畳苑口バス停、または畳ヶ浦口バス停より徒歩

脚注

関連項目

外部リンク

座標: 北緯34度56分37.4秒 東経132度6分24.7秒 / 北緯34.943722度 東経132.106861度 / 34.943722; 132.106861



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