殷~三国時代とは? わかりやすく解説

殷~三国時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/09 03:43 UTC 版)

龍窯」の記事における「殷~三国時代」の解説

龍窯のもっとも古いものは、殷の時代にまでさかのぼる。江西省清江県呉城で発掘され呉城文化遺跡では4基の龍窯確認されている。そのうち比較保存状態のよい6号窯は、殷の終末期の窯であり、長さ7.54mが残存しており、幅は1m前後底面1度54分の傾斜で、ほぼ平坦に近い。横から入れるための投孔(眼洞)が片方側面に9ヶ所設けられている。焚き口は、入れてから適度に燃焼した時期見計らって、土磚という一種レンガブロックでふさぐ。その後焚き口に近い順に投孔から投げ込んでいくと考えられる。この窯では、印紋硬陶と呼ばれる土器原始青磁焼いている。浙江省では、上虞市百官鎮の2号窯が殷代の窯にあたる。全長5.1m、最も幅の広い部分が1.22m、窯床は、16度の傾斜持っている。この窯では、印紋硬陶のみを焼いていたようである。 広東省博羅県園洲鎮では、春秋時代早期考えられる龍窯発見されている。この窯は、窯床が20度の傾斜持ち全長が15m、幅2mくらいの規模をもつ。春秋戦国時代通じてこの窯の周辺1万m2に陶磁器焼いた窯跡分布していることが判明しており、この窯跡群焼かれたと推定されるヘラ記号施した印紋硬陶や原始青磁周辺春秋戦国時代の墓からも副葬品として発見されている。揚子江河口南方杭州湾南岸にあたる浙江省紹興県富盛長竹園でも戦国時代属す龍窯発見されている。窯頭部分が、灌漑用水施設工事の際に破壊され、本来は、4~6mあったと考えられるが、長さ3m分が残存していて検出された。窯壁は、20cm残存しており、天井部分崩落して失われている。窯の底面は、16度で傾斜し焼成による12cm堆積確認されている。窯道具トチンなどが出土しているものの、基本的には、焚口近く素地の器を直接置いているため、生焼けであった焼成状況よくない浙江省上虞県聯江公社光大隊帳子山で発見された2基の龍窯は、後漢時代のもので前半部が破壊されていたがそのうち1号窯は、3m90cm、幅2m前後残存していた。傾斜下半分で28度であるが途中で21度に変わっている。窯の底面には粘土塗られその上には砂が二層渡って敷かれていた。その下層は、熱を受けて硬くなっていたが、上層窯道具支えるために柔らかな状態であった。窯壁は、30cm強~40cm強程度残存していた。窯の下半分の窯壁が分厚く壁面がいったん高熱溶けた凝固している様子うかがわれ上のほうにいくにたがって薄くなり、残存していた遺物も赤焼けでもろくなっている。このような残存している窯壁の立ち上がりや窯体内残っている器や窯道具大きさから、天井の高さは、110cmくらいであると推測される2号窯は、1号窯とほぼ規模造りとも同じくらいで、窯床の傾斜下半分で31度、上半分で14度傾斜である。1号2号とも窯道具はほぼ原位置保って残されている。窯体内は、窯の傾斜急になっていて、窯の内部は1250~1300度くらいになっていたと推定され、器の素地生焼けならないように窯道具高く積み上げて窯詰め行い以前の窯に比べて格段に効率がよくなっている様子うかがわれる後述する近隣三国時代の窯が長さ13mくらいであったことから考えて、窯の全長は10mくらいではないか考えられている。 上虞県聯江公社湖大鞍山では、長さ13.32mの三国時代に当たる龍窯発見されている。燃焼室半円形でもっとも長い部分は80cmで、素地を焼く窯床よりも42cm低くなり、厚さ11cmの障壁仕切られている。窯頭が失われているため、焚き口通気孔については状況わからないが、長方形作業場おもわれる粘土敷き広場遺構確認されている。窯室部分、すなわち焼成室は、底面地山に一層の砂を敷いており、下半分は13度上半分は23度に傾斜し長さは10.29m、幅は2.1~2.4mであった。窯壁は30~37cm残存していた。窯室と窯尾を区分する場所には、障壁が高さ10cm残存しており、そこから57~80cmの位置に5本の分焔発見された。高さ15cmで、被熱の仕方から上に壁はなかったと推定される。 分焔後ろには粘土の塊がおかれていた。おそらく火の勢い調節するためであった思われる窯道具は窯室中部分集中しており、窯室の後ろ部分、すなわち窯の上の窯尾付近に窯詰めがほとんどなされなかったとおもわれる三国時代までの龍窯は、10mくらいのせまい窯室で、窯体の幅を広く急な傾斜用いることによって高温維持して焼成を行う小規模なであった

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